元アイドル主演の衝撃実写化映画 ファンタジーだけど設定が「やりすぎ」
人気マンガが次々に実写化され、アイドル出身の俳優も過激な作品に抜擢されることが増えてきました。元AKB48が性欲に翻弄されたり、元SKE48が自慰行為にふけったり……そのような、元アイドルたちが魅せた過激なマンガ原作の映画を振り返ります。
時間停止能力の代償が

毎年何本も作られるマンガ原作の映画では、意外な役に敢えてアイドル出身の俳優を起用した作品も多々あります。なかには信じられないような過激な役に挑戦した方もいました。
●『ぼくらのふしだら』
2025年1月公開の映画『ぼくらのふしだら』は、「月刊ヤングキングアワーズGH」で連載された大見武士先生の同名コミックが原作です。謎の不思議な存在「ササヤキ」から時間を停止させる能力と、その代償として果てしない性欲を与えられた女子校生の受難を描いた物語で、元AKB48の田野優花さんが主演を務めました。
主人公の「結城美菜実」は、もともと自分に自信がなく、劣等感の塊のような女の子でした。しかし特別な力を得たその日から、彼女の鬱屈とした毎日は一変します。そして、性欲を鎮めるために自慰を繰り返し、幼馴染と肌を重ねる日々を送り、しまいには時間停止能力の万能さに溺れていくようになりました。
そうした美菜実のふしだらな日常とともに、欲望に支配される人間の恐ろしさを描いた同作は、田野さんの演技力の高さも相まって上質なエロティックホラーに仕上がっていました。小規模公開ながら、「エロさがどうでもよくなるくらい人間の狂気が感じられる一作」「人間の業の深さについて考えさせられる映画だった」などと評判です。
●『私だってするんです』
映画『私だってするんです』は、Webマンガサイト「くらげバンチ」で連載された同名コミックが原作で、女性の赤裸々な性事情をコミカルに描いたことで話題となりました。主演はSKE48の元メンバーで、現在はマルチタレントとして活動する加藤智子さんです。
加藤さんが演じたのは、恋する美人女子高生「慰舞林檎」でした。彼女はある日の教室で、片想い相手の写真をオカズに自慰行為をしていたところ、当の片想い相手である「江田創世(演:西川俊介)」に現場を見られてしまいます。しかし江田は引くどころか、慰舞に学校の人間たちのオカズや発散方法を調査した、「オカズノート」の制作に協力するよう話を持ち掛けるのです。
江田が趣味として作っていた「オカズノート」は、他人のオカズの記録だけでなく、その行為を自ら体験し、感想を記すことを最重要事項としていました。江田に惚れている慰舞は、すぐさま女子生徒の調査に奔走し、鉄棒やマッサージ器など、調査のなかで新しい扉を次々と開き始めます。
映画は「1」「2」の前後編が制作されており、どちらも個性的な「オカズ」が目白押しです。デリケートなネタをコミカルに扱いながらも、不思議と慰舞と江田の恋愛模様もちゃんと成り立つストーリー構成に引き込まれます。
●『悪鬼のウイルス』
2025年1月公開の映画『悪鬼のウイルス』は、二宮敦人先生の人気ホラー小説が原作で、鈴丸れいじ先生によってコミカライズもされています。主演はバラエティー番組などを中心に活躍する、元HKT48の村重杏奈さんです。
主人公の「茅野日名子」は、若者4人で構成されたYouTuber「都市伝説バスターズ」の一員として神隠しが起きる村を訪れます。そこでは、大人が「鬼」になって暴走するという、奇妙な病が蔓延していました。
ここでポイントになるのが、何をもって「大人」とみなされるのか、という点です。たとえばあきらかに大人である、管理人を名乗る男「牛頭(演:田中要次)」は、村にいても鬼になる様子がありません。「都市伝説バスターズ」の面々も序盤は感染する様子はなかったものの、ある出来事をきっかけに感染の危機にさらされます。
そうしたなか、あえて大人になるための行動に日名子が行動に出る場面は、見どころのひとつといえるでしょう。ネット上には「村重杏奈の迫真の演技に驚いた」「色気がヤバい。こんな芝居できるんだ」などと、バラエティーとはひと味違う村重さんの姿に感嘆する声が見られました。
(ハララ書房)