「ガンダム」に見る魔性の女性 なぜ男たちはトチ狂ってしまうのか…ミライさんとか
「ガンダム」シリーズにおける「魔性の女性」をピックアップして振り返ります。なぜ男たちは彼女に関わり、そしてトチ狂っていってしまうのでしょうか。そうした存在の筆頭にあるのは……やはりこの人、「ミライ・ヤシマ」かもしれません。
関わる男を不幸にする魔性の女たち

「魔性の女性」といったとき、どのようなキャラクターを想像するでしょうか。一般的にはフェロモン漂う妖艶な女性をイメージする人が多いかもしれません。それもひとつの見方だと思います。
しかし、そこよりも重要と思う点は、一見は普通の女性に見えるのに、見えない力のようなもので周囲の男性が引き寄せられていくことでしょうか。そして女性に悪意がなくても、関わる男性が不幸になるということです。
そういった点を踏まえて、「ガンダム」シリーズで魔性の女性と思われるキャラクターを3人、ピックアップしてみました。もちろん筆者個人の考えなので反論意見は多いことでしょう。
その最初のひとりが『機動戦士ガンダム』の「ミライ・ヤシマ」でしょうか。「魔性」とはかけ離れたイメージを持つ女性ですが、そこが筆者の注目ポイントです。ミライは作中で「ブライト・ノア」「スレッガー・ロウ」「カムラン・ブルーム」の3人から好意を寄せられました。
ミライはスペースグライダーのライセンスを持っていたため、偶然のなりゆきから「ホワイトベース」の操舵手になり、以降はブリッジに勤務することになります。この経緯からか、艦長となったブライトのサポート役として、ホワイトベースの行動に関して意見を求められることもありました。
もともとは日系の名家ヤシマ家の令嬢で、軍内部でも厚遇されるほどのステータスにあります。もっとも本人にエリート意識はなく、クルーからは「ホワイトべースのおふくろさん」と慕われていました。
そういう意味では魔性とはかけ離れたイメージがありますが、前述したように惹かれる男性が次々に現れています。まずはカムラン、もともとミライの許嫁でした。劇中で考え方の違いが決定的となり、普段は温厚なミライが激高するほどの修羅場を演じることになります。
それでもミライをあきらめきれないカムランは、危険な戦場でホワイトベースの水先案内人までかって出ました。別れ際にも宇宙船の窓から食い入るようにホワイトベースの姿を見送っています。
その後、カムランは続編『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』にも登場しました。この時は地球連邦政府会計監査局の代表にまでなっています。その権限を利用して終身刑になることを承知で、15基の核弾頭をブライト率いる「ロンド・ベル隊」に渡しました。
その理由が「ミライに生きていてほしいから(シャアの企みを阻止するために提供する)」というもので、まだミライに思慕の念を抱いているようです。ひょっとしたら結婚もまだかもしれません。そう考えると、カムランの生涯はミライによって決定づけられたということでしょう。
スレッガーは、ミライの行動が影響したわけではありませんが、結果的に戦死しています。結婚したブライトは、アニメだけ観ていくぶんには「いまのところ」特に不幸らしいこともありませんが、単身赴任のお父さんというイメージでしょうか、家族と別れての生活はけっして幸福とはいえないでしょう。
こじつけかもしれませんが、ミライに関わった男性は平凡な幸せとは縁遠くなるというイメージではないでしょうか。

