深夜とはいえ攻めすぎてた実写化ドラマ　「現役高校生でそんな演技を？」

原作の世界観を存分に再現した深夜ドラマ

　人気マンガ原作のドラマは、これまで数多く制作され、すでに始まっている2025年春クールのドラマでも話題の作品が次々と放送されています。なかには、過激なシーンが登場する刺激的な深夜ドラマもありました。

●『社内マリッジハニー』

　少女マンガ雑誌「プレミアCheese!」（小学館）で連載された『社内マリッジハニー』（作：藤原えみ）は、2020年に木曜深夜の毎日放送（MBS）「ドラマ特区」の枠で実写化されました。

　本作は彼氏の浮気により婚約を解消したOL「春田あみ（演：松井愛莉）」が、顔も素性も知らない「三浦真夏（演：板垣瑞生）」と即日結婚し、形だけの結婚生活をする姿を描いています。

　あみが徐々に真夏の魅力に惹かれていく過程が本作の見どころで、ほぼ毎話、濃厚なベッドシーンが描かれました。直接的な表現ではなく、あみの首筋や耳たぶを噛みながらキスをする真夏の姿や、手をつなぎながらあみが悶えるシーンなど、大人の恋愛コミックである原作の雰囲気を存分に再現しています。

　あみを押し倒したり甘いセリフをささやいたりと、ドSな真夏に心を奪われた視聴者も多かったようです。

●『ハッピー・オブ・ジ・エンド』

　家族から勘当された男「ケイト／浩然（演：沢村玲）」と、トラウマを抱えた男「柏木千紘（演：別府由来）」の恋模様を描いたマンガ『ハッピー・オブ・ジ・エンド』（作：おげれつたなか）は、2024年にフジテレビ系の月曜深夜の枠でドラマ化されました。

　愛に飢えたふたりの青年がどのような愛を育むかが物語の軸である本作は、刺激的な性描写が多数盛り込まれています。特に、第1話の終盤では、裸の千紘がケイトに下半身を触られ、そのまま行為に及ぶシーンが描かれ、多くの視聴者に衝撃を与えました。

　さらに、荒い息づかいで体を重ねるふたりの濃密な場面もあり、原作の過激さを忠実に再現しています。作中で語られるふたりの過去もハードな内容で、そうした背景が物語により深みを与えていました。

　別府さんは『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』で「サルブラザー」役を演じていたため、特撮作品とはまったく異なる役柄に驚く視聴者も多かったようです。

●『少年のアビス』

「週刊ヤングジャンプ」（集英社）で連載されたマンガ『少年のアビス』（作：峰浪りょう）は、2022年に前述の「ドラマ特区」の枠で実写化され、原作に沿った衝撃的なシーンを再現したことで話題を集めました。

　閉塞感が漂う田舎町で、行き場を失った高校生「黒瀬令児（演：荒木飛羽）」が、憧れのアイドル「青江ナギ（演：北野日奈子）」と出会い、彼女から「心中」を持ちかけられたことをきっかけに、人生が変化していく様を描いた作品です。

　第1話から令児がアイドル衣装をまとったナギと関係を持つシーンが描かれ、その濃厚な描写にネット上では驚きの声が続出しました。

　さらに、女性教師「柴沢由里」役の松井玲奈さんのベッドシーンや、令児の幼馴染「秋山朔子」役の本田望結さんが下着姿で令児に抱きつく場面など、アイドルや子役のイメージが強いキャスト陣の、なかなか見ることのできない一面が描かれています。主演の荒木さんも本田さんも、当時現役高校生だったのが驚きです。

　物語は最終話まで先の読めない展開が続き、原作の持つ独特な世界観を忠実に再現していました。予想を覆すようなストーリーでも、高い評価を受けた作品です。