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意外と「えっ」となる衝撃マンガ原作ドラマ 「地上波でそこ見せんのかよ」

たとえ同じ作品でも、マンガと実写化では受ける印象が異なります。マンガでは平気だったはずなのに、いざ3次元で原作の過激描写やホラーシーンが再現されると、リアルな恐怖を感じてしまう……。そういった経験を持つ人は、少なくないのではないでしょうか。

こんなにホラー要素が強いなんて

高橋ひかるさん(2018年12月、時事通信フォト)
高橋ひかるさん(2018年12月、時事通信フォト)

 マンガの過激な場面やホラー描写は、実写化されるとリアルさが増し、よりギョッとするシーンに仕上がることがあります。俳優の演技や演出で、そんなつもりで観ていなかったのに怖い、と思わされた実写化ドラマを振り返ります。

 岩城宏士先生原作の『スモーキング』は、テレビ東京とNetflixがタッグを組み、2018年に実写ドラマ化されました。本作は「スモーキング」とよばれる4人の殺し屋を描いた物語で、剥師の「佐辺ジィ」、潰師の「ゴロ」、物足師の「八丁」、薬罪師の「ヒフミン」をそれぞれ石橋凌さん、丸山智己さん、金子ノブアキさん、吉村界人さんが演じています。

 スモーキングは主にヤクザをターゲットとし、殺害した際にはその証拠として「刺青の入った人皮」をはぎ、依頼者に見せることを流儀としていました。さすがに地上波では流せないのかと思いきや、ドラマ第1話から「皮はぎ」の場面が登場し、視聴者を驚かせることになります。メスで皮に切り込みを入れるシーンのアップ、そして最後に一気に皮をはがされる際の苦悶の声は、一度観たら忘れられなくなるでしょう。

 2022年放送のWOWOWドラマ『青野くんに触りたいから死にたい』も、衝撃描写では負けていません。原作は椎名うみ先生の人気コミックスで、女子高生の「刈谷優里(演:高橋ひかる)」が、付き合って2週間で死んでしまった恋人「青野龍平(演:佐藤勝利)」の幽霊と交際するといった物語が展開されていきます。

 基本的には生者と死者の切ない恋物語ですが、かなり本格的なホラー要素もありました。幽霊である青野くんと付き合っている影響からか、優里の周囲では次々と怪奇現象が起こります。特に視聴者の間で話題となったのは、第5話で優里の友人「堀江美桜(演:里々佳)」の身に起きた恐怖体験です。

 あるとき、美桜が自宅で優里を待っていると、約束の時間よりだいぶ前にインターホンが鳴ります。美桜は画面越しに声をかけますが、インターホンに映る優里は舌足らずな声で「刈谷れす。なかに入れれくららい」「入れてー入れてー」と繰り返すばかりでした。恐怖におののきながらも、美桜が「絶対にダメ! 何があってもあなたは家には入れない!」と叫ぶと、インターホンの画面が消え、スマートフォンに本物の優里からメッセージが届きます。

 悪霊が優里のフリをして友人宅に入り込もうとするこの一幕は、インターホン越しの高橋さんの目が真っ黒になって、家中がガタガタ鳴り出すなど、思いのほか恐ろしく描かれており、当時のネット上でも「怖すぎる」「トラウマもの」「原作でも怖かったし実写でもマジヤバい」などと注目を集めました。ホラーが苦手な人は注意が必要です。

 2019年に放送された『Iターン』も、また違った意味で多くの人に恐怖を与えた作品です。コミカライズ化もされた福澤徹三先生の人気小説を原作とする本作は、ひょんなことからサラリーマンとヤクザの二重生活を強いられてしまう主人公「狛江光雄(演:ムロツヨシ)」の受難が描かれています。

 作品自体はコメディー要素が強く、ムロツヨシさんの得意な演技が光る作風となっていますが、そのなかで竜崎組の組長「竜崎剣司」役を務めた田中圭さんだけは、異色の存在感を放っていました。竜崎はいわゆるインテリヤクザで、古田新太さん演じる岩切組の組長「岩切猛」とは真逆の信条を持っています。

 どこか任侠映画っぽいキャラの岩切に対して、現実のヤクザらしさを追求したかのようなキャラクターでもあり、ドラマ第1話で狛江を脅迫するシーンが流れた際には「眼光が本物すぎてコワ」「田中圭くんだけ『アウトレイジ』の世界なんよ」などと多くの人を震え上がらせていました。

※高橋ひかるさんの「高」は「はしごだか」

(ハララ書房)

【画像】え…っ? 5話で「マジかよ」 コチラが高橋ひかるさん主演の衝撃ドラマです

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