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裁かれぬ悪を葬る漫画『ブラックエンジェルズ』が予見した、シャレにならない未来とは

物語は超能力ファンタジーに変化も、見逃せない「先見の明」

1970年代に「週刊少年ジャンプ」でデビューした若き平松伸二氏の自伝的作品『そしてボクは外道マンになる』(集英社)。『ブラックエンジェルズ』執筆時のエピソードも描かれる
1970年代に「週刊少年ジャンプ」でデビューした若き平松伸二氏の自伝的作品『そしてボクは外道マンになる』(集英社)。『ブラックエンジェルズ』執筆時のエピソードも描かれる

 また、物語のなかで核兵器による人工地震である「M計画」が遂行された後、舞台は『北斗の拳』や『マッドマックス』のような世紀末世界である「関東破滅地帯」に変化。その後、関西に遷都された新首都で展開される「白い天使」編や「新政府」編では、もはや仕置人的な暗殺者ではなく、空中浮遊能力やサイコキネシスを駆使した超能力者同士の戦いになってしまいます。

 とはいえ、『ブラックエンジェルズ』の最後の方のストーリーがまったく荒唐無稽というワケではありません。「すべての国民に認識番号がつけられた国民総背番号制」など、ともすれば今(もしくはこれから)の世の中の仕組みを予見していたのではないだろうか……と思える内容も。作者、平松伸二氏の先見の明を感じさせるものです。

 さらに言えば、新政府設立の黎明期に壊滅した関東から逃げ込んだ「妖姫」が語る、「権力ってのは便利なものさ! 世の中のしくみを自分たちの思いどおりにうごかせるからねえ!」というセリフは、あくまで筆者の私見ですが、今ではちょっとシャレにならない響きになっているような気がします。

 もちろん、劇中で雪藤自身が「おれたちは今まで法で裁けない悪を殺してきた……だがそれもしょせんは人殺し……正義などとは思っていない!」と語るとおり、いくら「ド外道」であろうとも殺してはならないのが真っ当な人の道。現実とリンクするような事件やショッキングな内容が多い『ブラックエンジェルズ』ですが、あくまでもすべてはマンガの世界の中だからこそ、と思いたいものです。

(渡辺まこと)

【画像】インパクト強すぎ!『ブラックエンジェルズ』の登場人物と裁かれたド外道たち(6枚)

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