【漫画】「犬を飼っていないとおかしい」社会　少年は懐かないキツネを「犬だ」と言い張り…結末に読者号泣！

犬とは違って全然人に懐かないキツネ

　犬をペットとして飼う家庭がスマホ普及率よりも多くなった、「飼い犬社会」でのお話です。ある男の子の家庭では、犬を飼っていておらず、イジメに遭う危機にさられていました。ある日、男の子は道端でたまたま出会ったキツネを犬として飼うことにします。実は1週間後に同級生に愛犬を見せるという約束をしてしまっていたのです。その日を迎え、友人たちに「犬」として紹介しますが、やはり「キツネだ」と馬鹿にされてしまい……？

　きつねねねさん（@thematy_）による創作マンガ『犬とキツネ間違えた子』がX（旧：Twitter）上で公開されました。いいね数は1.8万を超えており、読者からは「最終的には同級生も本人もキツネであると認識した上で絆が芽生えたんだな。いい話やな」「ふたりの絆に泣いてしまいました」「ストーリーもデザインも素敵。特にキツネの不服そうでかわいい表情が好きです」などの声があがっています。

　作者のきつねねねさんにお話を聞きました。

ーー今回の『犬とキツネ間違えた子』のマンガを描こうと思ったきっかけついて教えて下さい。

　私は大学でマンガ研究会というサークルに所属しており、そこで「きつね」というお題でマンガやイラストを描く企画がありました。その企画に合わせて話を考えたのが、本作を描いたきっかけです。

　もともと、キツネを飼いたいと思い調べたことがあったのですが、その過程でキツネは人間には懐かない動物だと知りました。そこで、「もしも、犬と間違えてキツネを飼い始めたら面白そう」と考え、このストーリーを思いつきました。

　ペンネームに「きつね」と入っているのも、単純にかわいくて好きだからです。私はかわいい動物に目がなく、特にキツネはそのなかでも惹かれる存在です。

　なかでも猫や犬のように日常で見かける動物とは違い、キツネは知名度が高いのに実際に触れ会う機会がほとんどないので、どこか憧れのような気持ちを抱いています。

ーー今作でこだわったキャラメイクやお気に入りのコマなどがあれば教えて下さい。

　キャラクター作りでは、キツネの性格を「懐かない動物」として描きつつも、読者に愛着を持ってもらえるように工夫しました。最初はツンツンしていて、素直にならない様子を強調していますが、物語が進むにつれて、少しずつ心を開いていく変化が伝わるようにしました。

　お気に入りのシーンは、キツネが男の子の作った犬小屋で寝るシーンです。実はもともと、このシーンはなく、代わりにキツネがこっそりドッグフードを食べ、想像以上においしくて好物になる、というシーンがありました。前半のキツネがツンツンしすぎているように見えたので、少し心を許していることを伝えるためのシーンでした。

　しかし、今の犬小屋のシーンに差し替えたことで、男の子は「犬を飼ってないといじめられるから」という理由だけで飼っていないこともさりげなく伝えることができたと思います。また、ドッグフードのシーンはギャグ寄りでしたが、犬小屋のシーンにすることで、キャラクターの心情をより自然に描けたと思います。

ーーSNSでの反響が多数寄せられています。特に印象に残った読者の声について教えて下さい。

　予想以上に多くの方に読んでいただき、驚くと同時にとてもうれしく思っています。もともと、オリジナルのストーリーマンガがここまで広く読まれることはあまりないと考えていたので、たくさんの反応をいただけたことに感謝しています。

　印象に残った読者の声としては、「エキノコックスが心配」というコメントが多かったことです。エキノコックスの存在は知っていましたが、マンガの流れとしては勢いでごまかせるはずと思い、特にフォローはしませんでした。

　ただ、読者の方々が気にされていたことを考えると、例えばコマ外に「この世界の住民は頑丈なため、エキノコックスの心配はありません」といった設定を書き添えることで、ストーリーと関係のない心配事に意識が向かないようにできたかもと思い、少し後悔しました。

　また、私はもともと数学のマンガを投稿しており、フォロワーにも数学が好きな方が多くいます。そこで、「奇関数」というマイナーなネタをマンガ内に入れてみたのですが、コメントでしっかり伝わっていることが分かり、とてもうれしかったです。