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数年ぶりに1巻読んだら「あれ、別人?」 絵柄が激変した名作マンガ3選

誰もが知っている有名マンガのなかには、長期の連載のなかで驚くほど絵柄が変化した作品もあります。そのビフォーアフターを振り返ってみると、違った視点で作品を楽しめるかもしれません。

「初期の方がいい!」という声もある名作マンガたち

初期のアニメ『ONE PIECE』ビジュアル (C)尾田栄一郎/集英社・フジテレビ・東映アニメーション
初期のアニメ『ONE PIECE』ビジュアル (C)尾田栄一郎/集英社・フジテレビ・東映アニメーション

 人間は時間が経つとさまざまなことを経験し変化していくものです。それは、長期にわたって数十年、連載している漫画家も同様でしょう。これを機に第1巻と最新刊を見比べると、新たな発見があるかもしれません。

 尾田栄一郎先生によるマンガ『ONE PIECE(ワンピース)』は、2025年3月時点でコミックス111巻までを刊行している長編作品です。連載が開始された1997年頃の尾田先生の絵柄を見てみると、主人公「モンキー・D・ルフィ」をはじめ、キャラクターデザインや背景が非常にシンプルだと分かります。例えば「シャンクス」が少年時代のルフィに麦わら帽子を預けるシーンは、背景を描かないことで効果的な演出が生まれていました。

 その絵柄は次第に変化していき、しかし、近年はキャラクターと背景の描写がより詳細に描かれるようになっています。特にキャラクターの筋肉描写が印象的です。

「ロロノア・ゾロ」やシャンクスたちの体型は、「東の海(イーストブルー)編」ではすらりとしていましたが、最新エピソード「エルバフ編」ではがっちりとしたマッチョ体型に変わっています。初期から割れていた腹筋はもちろん、それに加えて首や腕周りの筋肉の発達がめざましく、首回りが丸太並みの太さに成長していました。

 このような絵柄の変化について、ネット上では「以前より絵柄の迫力が増した」「昔の方も好きだったな」「初期の頃よりさらに絵がうまくなったって感じ」と、尾田先生の画力を絶賛する声が多くあがっています。

 また、高橋留美子先生の『めぞん一刻』も、初期と後期との絵柄の違いが見られます。特に分かりやすいところが、ヒロインである「音無響子」の顔立ちです。一般的に、響子さんといえば可憐で優しい雰囲気の年上女性、というイメージを持つ人も多いでしょう。ところが、連載初期の響子さんは目尻が上がった、どちらかというと妖艶な顔立ちをした美人として描かれています。

 響子さんの絵柄の変化に対し、SNS上では「初期の作画が一番好きかも。この頃の響子さんの方が美人で、かつかわいくみえる」「初期はミステリアスで大人の魅力あふれる女性って感じだった」と、初期の絵柄が気に入っている人も多いようです。

 さらに、雁屋哲先生(原作)と花咲アキラ先生(作画)によるグルメマンガ『美味しんぼ』も、大きく絵柄が変わった作品としてあげられるでしょう。連載初期には、ヒロインの「栗田ゆう子」は非常に子供っぽい絵柄で描かれていましたが、現在では落ち着いた大人の女性に変化しています。また、主人公の「山岡士郎」も、連載初期には細めの男性として描かれていましたが、現在は貫禄のある中年男性として描かれています。

 そのなかでも、最も違いが顕著だったのは士郎の父「海原雄山」の絵柄です。絵柄の違いは作品ファンの間で長年ささやかれ続けており、2025年1月下旬には連載初期、中期、後期それぞれの絵柄で雄山を再現した『美味しんぼ 海原雄山 フィギュア』が発売されました。

 それぞれの作品は大きく絵柄が変化していますが、ファンからはおおむね好意的に受け入れられています。長い連載期間での絵柄の変化は、単に筆致の変化だけではなく、時代の変化に沿っているとも考えることができるかもしれません。

(LUIS FIELD)

【画像】首←丸太かよ! こちらが極太な『ワンピ』ゾロの筋肉です(6枚)

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