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6月4日は「ムシの日」。脳裏に焼き付く『みなしごハッチ』ほか昆虫アニメ4選

虫ガールが世界を救う?

『風の谷のナウシカ』DVD(ウォルト・ディズニー・ジャパン)
『風の谷のナウシカ』DVD(ウォルト・ディズニー・ジャパン)

 平安時代に書かれた古典文学『堤中納言物語』に登場する「虫めずる姫君」は、虫好きなお姫さまとして有名です。毛虫などを集めて、熱心に育てたそうです。この「虫めずる姫君」を参考にして生まれたのが、宮崎駿監督の人気SFアニメ『風の谷のナウシカ』(1984年)です。

 高度な文明が崩壊した後の世界を舞台にした『風の谷のナウシカ』の主人公・ナウシカ(CV:島本須美)も、生き物をかわいがるお姫さまです。人間界の常識に縛られないナウシカは、腐海に棲む恐ろしい巨大生物・巨蟲(オーム)たちとも触れ合い、やがて自然環境回復のヒントを見つけることになるのです。

 昆虫は地球の環境に順応し、驚くような生命力を持っています。昆虫たちの生態をよく知ることは、地球全体の生態系を理解することにも結びつきます。環境破壊から地球を救うのは、虫ガールたちなのかもしれません。

養蜂家に憧れたちばてつやさん

ちばてつや原作アニメ『風のように』サウンドトラック(musica-ef)
ちばてつや原作アニメ『風のように』サウンドトラック(musica-ef)

 最後に紹介するのは、ちばてつやさん原作の上映時間40分の劇場アニメ『風のように』(2016年)です。『あしたのジョー』を連載中だったちばさんが、1969年に少女漫画誌で発表した同名の短編マンガが原作。日本各地を旅して回る養蜂業者を題材にした、ハートウォーミングな物語です。ちばさんは連載の締め切りに追われる生活が嫌になり、自然とともに生きる養蜂家に憧れていたそうです。

 クラウドファンディングで制作された『風のように』の完成披露試写には、ちばさんも出席。客席に集まったファンからの質問に、熱心に答える姿がありました。そのなかには「ちば先生の作品に孤児が多いのはなぜ?」というものもありました。

 その質問に対し、ちばさんは、敗戦後の旧満洲(現在の中国東北地方)からの引き揚げ船に、親とはぐれてしまった子供たちがいたこと、戦後の上野駅にも戦災孤児たちが大勢いたことを話しました。自分と年齢の近い子供たちが親の保護なしで生きている姿が、ちばさんの脳裏に強く焼き付いたそうです。

 ちばさんをはじめとする戦争を体験した世代にとっては、大自然のなかで生きる昆虫も、戦後の焼け野原をサバイバルする子供たちも、同じひとつの生態系に属する生き物同士に感じられたのかもしれません。昆虫の世界から、学ぶことはまだまだたくさんありそうです。

(長野辰次)

【画像】無類の「虫好き」、手塚治虫氏による昆虫マンガ作品たち(7枚)

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