ガンプラブームのさなかに放送『プラレス3四郎』 少年の夢をありったけ!
1983年6月5日、TVアニメ『プラレス3四郎』の放送が開始されました。ガンプラブーム真っ盛りの時期に放送された本作は、「相棒のロボットを動かす」という少年たちの夢を詰め込んだものでした。
「桜姫」が思い出させてくれた『夢操作P.M.P.1』
1983年6月5日は、TVアニメ『プラレス3四郎』の放送が開始された日です。人間型の小型プラモデルをロボット化し戦わせる競技「プラレス」の世界で活躍する主人公、素形3四郎と相棒の柔王丸の活躍は、当時の少年たちを熱狂させました。「少年少女と小さな相棒の物語」の原点となった本作について、ライターの早川清一朗さんが語ります。
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ちょうど7年前のこと、『リング☆ドリーム 女子プロレス大戦』というアプリをプレイしていた筆者は、新規イベントで「桜姫」というキャラが追加されると告知されたとき、「あれ? どこかで聞いたことある名前だな?」と首をひねりました。
少し気になって告知情報をきちんと見直したところ、桜姫は『プラレス3四郎』のキャラであることが書かれていました。すると次の瞬間、頭のなかに突然アニメ版オープニング『夢操作P.M.P.1』のメロディが蘇ってきたのです。そう、筆者は子供の頃に『プラレス3四郎』のアニメを見ていたのでした。
『プラレス3四郎』はロボット化されたプラモデル「プラレスラー」を戦わせるロボット競技「プラレス」をテーマとした物語です。原作コミックは「週刊少年チャンピオン」に原作・牛次郎氏、作画・神矢みのる氏のコンビで1982年から1985年まで連載されていました。
現代では「Robo-One」をはじめとしたロボット競技が実際に行われていますが、1980年代前半に「プラレス」を着想するのは容易なことではなかったはずです。作者の方々の先見の明には、ただ驚かされます。
この時期はちょうどガンプラブーム真っ盛りであり、ほとんど手足が動かないプラモデルで遊んでいた子供たちにとって、自由自在に動くプラレスラーの存在は、夢の具現化でもありました。さらにプロレス、ラジコン、マイコン、ライバルとのバトルと男の子が大好きなものをこれでもかと詰め込んだのです。人気が出るのも当然と言えるのではないでしょうか。