猫がより「入りたくなる」箱を作るべきでは？　開発の結果「あるある」すぎた

莫大な予算をかけて猫がより入りたくなる箱を！

　漫画家の迷子さんによる描き下ろしエッセイ。

　猫は段ボールに入るのが大好き。迷子さんは、「猫がもっと入りたくなる箱を作るべきなのでは？」と妄想します。

＊　＊　＊

　段ボールを放置しておいたら、猫が入っていた。

　本当に猫は箱が好きだ。安全だからとか、暖かいからとか、いつでも飼い主に襲いかかることができるからとか、色々理由はあるらしい。が、見ている方としてはかわいいのひと言なのでなんでもOKである。しかも箱に入ることは猫にとってリラックス効果があり健康にもいいとかなんとか。もうじゃんじゃか入ってほしい、大歓迎だ。多分猫が箱に入ることは一部の人類の健康にもいいだろう。

　しかし健康問題にまで直結するとなると、人類は猫がもっと入りたくなる形状を生み出す責務があるのではないだろうか。それを外に置いておけば野良猫すらスポスポと入ってくる、そんな夢の形状。しかし液体説があるほどに体が柔らかい猫だ、どんな形でも大抵はフィットしてしまう。逆に形状の好き嫌いを把握するのが難しいのかもしれない。これは研究のしがいがありそうだ。

　自分が大富豪であったらば、世界中の大学に猫の基礎研究部門を設け、優秀な学生を援助し、猫グッズ・猫フードを作成する企業の株をむやみやたらと買うことだろう。そして長年の研究成果として満を持して販売したのがこちらの『ネコ入りたくな～る』という名の商品だ。今ならフード1kgもついて2000円引き、買うしかない。そう今これを読んでいるPCの前のあなたに言っているのです。

　お急ぎ便で届けられたそれは猫に見向きもされず、猫はそれを届けた配送用の段ボールで丸くなる。そんな夢のような未来を実現するためにも、早いところ石油でも掘り当てなければならない。

（迷子）