『ウルトラマンA』に「新マン」登場? が、悪役になった郷秀樹に子供たちはショック
1972年6月9日、『ウルトラマンA(エース)』第10話「決戦!エース対郷秀樹」が放送されました。前作『帰ってきたウルトラマン』の主人公・郷秀樹が悪役として登場したことに、視聴者の子供たちはショックを受けてしまいます。
帰ってきた郷秀樹 しかし…
1972年6月9日は『ウルトラマンA(エース)』(以下、エース)第10話「決戦!エース対郷秀樹」が放送された日です。前作『帰ってきたウルトラマン』(以下、新マン)から郷秀樹役の団時朗氏、次郎少年役の川口英樹氏、村野ルミ子役の岩崎和子女史をゲストに招いたこのお話は、前作の主人公を務めた役者が2か月半後に悪役として登場する、異色の放送回となりました。あらすじを知っていたにも関わらず、放送を見て大きなショックを受けたライターの早川清一朗さんが、当時の記憶を語ります。
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子供の頃、『エース』の再放送を見ていた筆者が、密かに楽しみにしていたのが第10話「決戦!エース対郷秀樹」でした。
残念ながら筆者が『エース』を見たのは1980年代になってからだったため、ケイブンシャの大百科などである程度の情報を得ていました。かつての主人公である郷秀樹が悪役として登場する、いったいどんな話になるんだろうと、興味が湧いていたのです。
さて、10話の内容ですが冒頭、次郎少年とルミ子さんが、街中で郷秀樹らしき人物とすれ違います。団時朗氏の身長は187cmとかなりの長身で、一瞬ですがかなり目立つので見間違えようがありません。「いま郷さんみたいな人が!」と振り返る次郎少年でしたが、ルミ子さんに「郷さんがこんなところにいるわけないでしょ」とたしなめられ、その場を後にするのです。
落ち込む次郎少年の前に、突如として超獣ザイゴンが現れ、街を破壊し始めます。TACも出動し戦い始めますが、次郎少年とルミ子さんは追い詰められ、助けに来た北斗星司もザイゴンの攻撃に苦戦します。どうにか反撃に転じようとした北斗でしたが、不意に現れた足の長い男に邪魔をされてしまいます。
イラついた北斗が体当たりをかけ、よろめいた男の顔を見た次郎少年は、当然のようにこう叫んだのです。
「郷さんだ!」と。
その男は負傷しながらも襲い来るザイゴンを手にしたウルトラレーザーの一撃で仕留め、無事次郎少年たちを救い出します。このシーンでは『帰ってきたウルトラマン』のオープニングが流れ、まさに郷秀樹の帰還を想像させるようになっていました。