『ウルトラマンA』に「新マン」登場? が、悪役になった郷秀樹に子供たちはショック
悪の化粧を施した郷秀樹
再会を喜ぶ次郎少年でしたが、TACの美川隊員の口から「郷隊員はゼットンとの戦いで戦死した」と衝撃の情報がもたらされます。実はこのシーン、『ウルトラシリーズ』の対怪獣組織間で情報が引き継がれていることを示した、重要な場面です。
入院した男の見舞いに行った次郎少年ですが、どこか様子がおかしいことに気付きます。しかしその疑問を晴らす暇もなく、病院は再び現れたザイゴンの襲撃を受け、男は姿を消してしまいます。
病室に閉じ込められた次郎少年たちを救いに向かった北斗の前に現れた偽の郷秀樹は、自身の正体がヤプールの遣い、アンチラ星人であることを明かします。
北斗と南夕子になんとか救出された次郎少年は、郷秀樹の正体が宇宙人だと告げられながらも信じようとせず、「郷さん!」と叫んで走り出します。しかし超獣を操る姿を目の当たりにし、真実を悟った次郎少年は郷の姿に化けた宇宙人への怒りを露わにして戦いを挑みますが、歯が立つわけもなくあっさりと捕まってしまうのです。
このときのアンチラ星人の顔は、悪の宇宙人らしい化粧がほどこされているのですが、団時朗氏の端正な顔立ちも相まって、強烈なインパクトがあります。
最終的には無事にザイゴンもアンチラ星人も倒され一件落着します。ラストシーンでは次郎少年が空に向かって「ウルトラ5つの誓い」を、あくまでも郷秀樹を信じる勇気に満ちあふれた様子で叫び、エンディングを迎えるのです。
この記事を書くにあたり、第10話と予告を見返してみましたが、予告では郷秀樹に怪しいところはありません。本放送時に見ていた子供たちは、次回は郷秀樹と新マンが登場して、エースと一緒になって超獣をやっつけるんだと勘違いしたのではないでしょうか。実際に放送を見たときのショックは一体どんなものだったのか、体験した人に聞いてみたい気がします。
(早川清一朗)
※編集部注:「帰ってきたウルトラマン」の正式名称は「ウルトラマンジャック」ですが、本記事では執筆者の意向を尊重し、「新マン」と表記しました。