ウルトラマンは3分オーバーしたらどうなるの? カラータイマー点滅の謎
ウルトラマンは、3分しか活動できないというのは、有名な話です。ただ、強い怪獣と戦って3分以上戦った場合、彼はどうなるのでしょうか。
本編で「3分間」とは一度も言っていない

1966年放送の『ウルトラマン』から始まった、ウルトラヒーローたちが活動できる時間は「3分間」です。ところで、もし「3分オーバーしたら?」どうなるのでしょう。「死ぬ」と思う人は多いかもしれません。
この疑問に、円谷プロから公式な見解は出ていないそうです。そのため多くのファンは、ブログなどで独自の見解を載せています。そこで、筆者も全39話を見直して考察してみました。
●カラータイマーと3分の謎に迫るポイント
予備知識として、『ウルトラマン』放送前に少年マンガ誌や番組広告に「『ウルトラマン』が地上で動けるのは3分」などと書かれていたため、多くの視聴者がその設定を知っていました。
第1話「ウルトラ作戦第一号」ではすでに、ウルトラマンのカラータイマーが赤く点滅します。「アラシ隊員」が「あれはなんだ?」といい、「イデ隊員」が「危険信号でしょう。赤は万国共通ですからね」と答えるやりとりもあります。これは視聴者向けの説明でしょう。
その後、第3話「科特隊出撃せよ」で、ナレーションの詳細が入ります。「太陽エネルギーは、地球上では急激に消耗する」「カラータイマーが消えてしまったらウルトラマンは二度と再び、立ち上がる力を失ってしまう」とのことでした。そう言われると、「3分以上戦うと死ぬ」と解釈もできます。
時間について謎の発言が出たのは、第7話「バラージの青い石」です。カラータイマーが赤く点滅すると、イデ隊員が「あと30秒だ」と言っています。しかし、なにが「30秒」なのかは謎でした。
3分まで「あと30秒」なら、なぜイデ隊員がそれを知っているのか疑問です。ただ、視聴者は「赤ランプ点滅から30秒で3分か」と、察したと思います。
新展開があったのは、第16話「科特隊宇宙へ」でした。「バルタン星人」群がR惑星と地球に出現したため、ウルトラマンは星から星へ瞬間移動する「テレポーテーション」を使います。ここで、「これを使うことは彼自身の生命を著しく縮めることになるのだ」と、ナレーションが入りました。
その後、地球へ移動して攻防がありますが、カラータイマーは点滅していません。しかし、体力の消耗が激しく、ウルトラマンが「ハヤタ」の姿に戻ったときはグッタリと眠った状態でした。R惑星は地球外なのでタイマーは作動せず、地球に移動して2分30秒経つ前に敵を倒した、ということになるのでしょう。つまり、タイマーは体力消耗のバロメーターではないわけです。
さらに、第35話「怪獣墓場」は事件です。ウルトラマンは「シーボース」を抱え上げて空を飛び、宇宙まで運ぼうとします。ところが、カラータイマーの点滅も早くなっており、なんと時間切れとなりました。ウルトラマンは急降下して消滅し、疲れ切ったハヤタの姿に戻ってしまいます。これを観ると、カラータイマーは単純に3分時計です。
これが決め手でしょう。『ウルトラマン』の疑問「3分間オーバーしたらどうなる?」の結論は、「約3分で体力が限界に達しハヤタに戻る」です。
「約3分」としたのは、厳密にはウルトラマンが3分以上登場しているケースもあったから(放送局に視聴者からの指摘の声も多かったとか)です。多少アバウトなのでしょう。また、意外にも、本編では一度も「活動時間は3分間」と言及していません。
以上が、個人の見解で出した結論ですが、この事案について番組関係の書物を見て調べた際、分かったことがありました。