懐かしの「驚いた」アニメたち 「NHKで?」 「変身で体のラインが…」
毎クール刺激的なアニメが放送されていますが、昔の作品には現在とはテイストの違う過激なアニメも存在しました。
デジタルリマスター版で蘇った衝撃シーン

これまで数多く放送されてきたアニメのなかには、いま見ても衝撃的な演出やテーマを持った、いろんな意味での「過激作」が存在します。なかには、子供向けとは思えない描写やトラウマ級の展開もありました。
●『コレクター・ユイ』
1999年にNHK教育で放送されたアニメ『コレクター・ユイ』は、仮想空間「コムネット」を舞台に、女子中学生「春日結」が「コレクター・ユイ」に変身し、世界支配をもくろむ「グロッサー」一味と戦うSFファンタジーです。
堅いイメージのあるNHKですが、結の変身シーンは大ヒットした『セーラームーン』の影響を思わせる演出で、第1シリーズの変身時には「全裸」状態が描かれました。光で包まれているため直接的な描写ではありませんが、胸やお尻のラインなども分かる大胆な表現で、当時の視聴者を驚かせています。
『コレクター・ユイ』は、2024年にデジタルリマスター版として動画配信サイトで配信されました。「あの変身シーン」が当時のままなのか、気になって確認した方も多かったのではないでしょうか。
●『無限のリヴァイアス』
1999年に放送されたアニメ『無限のリヴァイアス』は、謎の宇宙船「黒のリヴァイアス」に乗って宇宙へ放り出された航宙士候補の少年少女たちが、大人のいない閉鎖空間での極限生活を余儀なくされる、重厚なSFサバイバルです。
彼らは救助を待ちながら、味方であるはずの軌道保安庁から攻撃を受けるという状況に追い込まれました。そして、艦内の指揮権や物資の配分をめぐる対立と漂流生活への不安から、徐々に人間の醜い部分が描かれるようになっていきます。
そのなかでも、和泉こずえに対する集団暴行事件は、視聴者に強烈な後味の悪さを残す展開でした。ほかにも、カルト化した宗教信者による殺人事件や、その犯人が主人公の恋人になる展開など、重いエピソードが次々と描かれています。
放送時間帯が夕方だったこともあって、同作は多くの子供が視聴しており、放送当時に思春期だった方にとっては、忘れられない衝撃作となったようです。
●『今、そこにいる僕』
2000年にWOWOWで放送されたアニメ『今、そこにいる僕』は、日本で暮らす少年「シュウ」が突如として異世界に連れ去られて過酷な戦争に巻き込まれていく物語で、いわゆる「鬱アニメ」としても知られています。
同作は単に戦争をテーマにしているだけでなく、少年兵や虐殺、拉致、慰安婦など、思わず目を背けたくなるような陰鬱なシーンが多く描かれました。なかでもヒロインのひとりであるサラのエピソードは、多くの視聴者に強烈な印象を残しています。
アメリカで暮らしていたサラは、もうひとりのヒロイン「ララ」と間違われて異世界に連れ去られました。しかし、誤解が解けた後も解放されることはなく、慰安婦として兵士に利用され、最終的には妊娠が発覚します。
重すぎる展開の同作には最後まで救いがなく、軽い気持ちでは観られないアニメです。それでもメッセージ性が高く、ギャグアニメを得意としている大地丙太郎監督が送り出した異色の作品でもあるため、一部で熱狂的に支持されてきました。
(SU_BU)