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高橋名人に憧れる子供が熱狂した『スターソルジャー』 キャラバンには凄腕が集結

凄腕のプレイヤー集団「軍団」

『スターソルジャー』(写真提供:たまじぃ☆ミssdc68k)
『スターソルジャー』(写真提供:たまじぃ☆ミssdc68k)

 そんな筆者にとって、「コロコロコミック」に掲載される『スターソルジャー』とキャラバンの特集を見るのは、何よりの楽しみでした。現代のようにインターネットがあれば刻一刻と進展していく状況をリアルタイムで知ることもできたのでしょうが、田舎に住んでいた筆者にとって、当時は月1回掲載される記事だけが情報源でした。都心住まいの方のなかには、会場にしばしば足を運んで状況をチェックしていた方もいたようで、本当にうらやましく思います。

 キャラバンの写真や記事を「ああ、自分も出てみたいなあ」と羨望交じりに眺めていた筆者でしたが、既にこの頃の連射速度はすさまじいレベルに達しており、高橋名人の16連射を超える、18連射や20連射を叩き出す凄腕プレイヤーたちが続々と登場していました。グループを作って研究を行い、キャラバンを席巻していたプレイヤーたちは「軍団」として紹介されており、「こんなすごい人たちがいるんだ!」と驚いたのをよく覚えています。

 最強ランクのプレイヤーの連射速度は最高で秒間25連射にまで達していたのですが、その原動力となったのがハドソンから発売されていたコントローラー「ハドソンスティック」と、「こすり打ち」です。こすり打ちとは文字通り爪などでボタンをこすり連射速度を高める技法です。筆者も試してみたのですが、すぐに爪を痛めてしまったので仕方なしに指と腕を痙攣させる「痙攣撃ち」をメインにしていました。

 ただ、軍団の実力はあまりにも高すぎたため大会の上位入賞者が固定されてしまったのが問題視され、翌年のキャラバンからは連射機能付きコントローラーの使用が解禁されたため、『スターソルジャー』は連射ヒーローが活躍できた最後のタイトルともなりました。

 あれから30年以上の時間が経過しましたが、今でも『スターソルジャー』のリアルタイムアタックに挑戦し続けている方々が存在しています。当時は不可能とされており、あさいもとゆき先生のマンガ『ファミコンロッキー』では100万点のボーナスが設定されていたデライラの3つ同時撃破ですらも達成され、実際には8万点ボーナスが2回であることも解明されています。

 一体どんな人たちが挑戦しているのかまでは分かりませんが、1986年の夏に情熱を捧げていた人たちだったらいいな、と思う気持ちが筆者のなかに残ってしまっているのは、当時参加できなかった人間の嫉妬なのか、それとも憧れなのか、いまひとつ、自分でも判断がつきません。

(ライター 早川清一朗)

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