30年早く来て…!『スターフォース』で思い出す、eスポーツの先駆け「キャラバン」
憧れたキャラバン

そして『スターフォース』と言えば夏のキャラバンを外すわけにはいきません。とはいえ筆者は『スターフォース』を買ってもらえなかったため当然練習することも、出場することもかないませんでした。
近所の幼なじみが買ってもらったというので大喜びで遊びに行ったところ、セガの「SG-1000」版で、盛大にずっこけたという記憶もあります。あれはあれで大分楽しませてもらいましたがファミコン版とはだいぶ感覚が違うものでした。
キャラバンの光景は今でも動画で見ることが可能ですが、そこには当時の筆者と同じくらいか少し年上の男の子たちが真剣な表情で画面と向かい合っています。あの光景のなかに自分がいない悔しさは、忘れようがありません。
ラリオスのコアに一秒間で8発撃ち込んで50000点のボーナス、ジムダ・ステギを15個連続で破壊した際の80000点ボーナス、「B」「b」のボーナスパネルを残らず破壊するともらえるボーナスなど、各種存在するボーナス点を、画面のなかのプレイヤーたち、そしてデモンストレーションを行っていた高橋名人は軽々と取っているように見えました。
筆者も数年後に挑戦してみましたが、これがけっこう難しく、キャラバン参加者たちがどれだけの熱意を持って練習を積み重ねていたのか、おぼろげながら理解できたのです。
現在ではeスポーツとして多くのタイトルで大会が行われていますが、キャラバンはその走りと言えるものでしょう。才能あるプレイヤーが熱意を持って取り組めば、ゲームでご飯を食べられるような時代がやってきたことをうれしく思いますが、どうしてあと30年早く来てくれなかったのかなという想いはどうしても心のなかでくすぶり続けています。
※記事内容の一部を修正いたしました。
(早川清一朗)