ジャッキー版『シティーハンター』は「別物」として人気? 「あれ以外の正解はない」「突き抜けたくだらなさ」
1993年の、ジャッキー・チェンさん主演の香港版『シティーハンター』は、原作とは別物でしたが、むしろその点を楽しんだ人も多かったようです。
原作者が期待していたのは「ジャッキー映画」?

いわずと知れた北条司先生の名作マンガ『シティーハンター』には、数々の実写版がありますが、皆さんはどのバージョンが好きでしょうか。
マグミクスは2025年5月22日、「原作から『完全逸脱』したマンガ実写化映画 作者『腹を抱えて笑った』」と題した記事を配信し、そのなかで取り扱った、ジャッキー・チェンさん主演の香港映画『シティーハンター』(1993年)に関してさまざまな意見が集まりました。
記事内ではタイトル通り、「原作と全然違う映画」として紹介しましたが、意外にも多かったのが「原作とは別物だが、これはこれで好き」という声です。
一部を抜粋すると、
「ジャッキーの映画という時点でジャッキー寄りになるのは当然の帰結、あれ以外の正解はないとも言える」
「確かに原作イメージと異なる部分はあるけど、当時はジャッキーさんの人徳が、漫画の実写化に貢献した感じがあり、見終われば『これもまた、『シティーハンター』のひとつ』と納得できた」
「『ジャッキー・チェンが、原作通りに演(や)るわけないだろう』と思っていたから、むしろ想定内だった。原作を意識しなかったら、ジャッキー・チェンの映画らしく普通に面白かったと記憶している」
「ジャッキーの『シティーハンター』は、もう公式パロディーって感じで突き抜けたくだらなさが面白かった。現代でいうと、『勇者ヨシヒコ』を正式に実写版『ドラクエ』です!って映画化するぐらいのはっちゃけ具合」
といった意見が出ています。
映画はジャッキー・チェンさん演じる「冴羽リョウ」がワンタンメン好き、銃を一応使うが最終的には肉弾戦、最終決戦ではトンファーが使われるなど、香港色が強い内容ですが、ここまで違っている分、逆に原作を意識せずに楽しめた方も多かったのではないでしょうか。
また、原作者の北条先生も、香港版に対して悪くない印象を持っていたようです。前記事のタイトルにある通り、北条先生はフランス版『シティーハンター』(のちに『シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション』のタイトルで日本公開)が話題になっていた2019年2月の「映画.com」のインタビューで、有名なジャッキー・チェンさんが『ストリートファイターII』の「春麗」に扮した作中の場面に関して、試写でアシスタントの方とお腹を抱えて大笑いしたことを明かしていました。
また、香港の映画会社ゴールデン・ハーベスト(現:オレンジスカイ・ゴールデン・ハーベスト・エンターテインメント・グループ)から、映画化のオファーが来た際、北条先生は原作の終わりが近かったこともあり、それまで断っていた実写化を初めて承諾したと語っています。上記のコメントのように、北条先生も原作通りにはいかずとも、「ジャッキー映画として面白くはなるだろう」と考えたそうです。
前述のフランス版ほか、2024年の鈴木亮平さん主演のNetflix映画『シティーハンター』が決定的な高評価を受けたいま、香港版は分が悪い雰囲気ではありますが、別物として好きな人は一定数います。現状どの配信サービスにもない状態ですが、復活すれば意外と人気を博すのではないでしょうか。
※冴羽リョウの「リョウ」は、正しくは「けものへん+うかんむりなしの寮」。
(マグミクス編集部)