令和版『ロボコン』と1983年放送『ペットントン』の共通点 チラつく脚本家の姿
2020年7月31日(金)に映画『がんばれいわ!!ロボコン』が公開されることが明らかになりました。サブタイトルの「ウララ~!恋する汁なしタンタンメン!!の巻」に、脚本家・浦沢義雄氏の姿が垣間見えます。
サブタイトルを見ただけで浦沢氏だと分かる

2020年7月に公開される映画『がんばれいわ!!ロボコン』のサブタイトルが、「ウララ~!恋する汁なしタンタンメン!!の巻」であることが発表されました。脚本を務める浦沢義雄氏は、無生物を活躍させることにかけては右に出る者はいない大ベテランです。1983年に放送された特撮番組『ペットントン』ではチャーハンとシューマイを結婚させるという「横浜チャーハン物語」を執筆し、当時の子供たちを困惑させました。本放送を実際に見ていたライターの早川清一朗さんが、かつての記憶をたどります。
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『がんばれいわ!!ロボコン』のサブタイトルに「恋する汁なしタンタンメン」という文字を見つけた瞬間、「あ、脚本は浦沢義雄氏(以下、浦沢氏)だな」と直感しました。汁なしタンタンメンに恋をさせる脚本家など、他に思い当たらなかったからです。多くの特撮作品で独創的な健筆を振るってきた、2020年で69歳になる浦沢氏が新たなロボコンで何を見せてくれるのか、今から楽しみで仕方がありません。
浦沢氏は、『美少女仮面ポワトリン』『不思議少女ナイルなトトメス』『うたう!大龍宮城』といった、1990年代前半を代表するニチアサ特撮番組では全話の脚本を担当されていますし、アニメでは『忍たま乱太郎』を手掛けています。2010年には映画『人間失格』にも参加するなど、幅広い活躍を長年続けている、日本を代表する脚本家なのです。
そんな浦沢氏は、食べ物をストーリーのキーにおいた作品を執筆することが多々あります。メインライターを務めた『激走戦隊カーレンジャー』では宇宙暴走族ボーゾックのメンバーが和菓子屋「芋長」の芋羊羹を食べると巨大化し、それ以外の羊羹では逆に小さくなるという不条理極まりないギャグで話題となりました。
まだ若かった筆者はこのとき初めて浦沢氏の存在を知り、強い興味を持つようになったのです。それから浦沢氏の過去の業績をチェックするようになり、過去にあるストーリーを執筆していたことに気づきました。
それは筆者が子供の頃に見た、とても不思議なお話でした。