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『ガンダム』シャリア・ブルが木星から持ち帰った「ヘリウム3」ってなに? 命がけも納得(?)な資源価値

2025年6月10日深夜の『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』第10話放送でトレンド入りした「シャリア・ブル」。彼が「木星帰りの男」と呼ばれる理由は、遥か9億km先の木星から「ヘリウム3」という貴重な燃料を運んできたからです。実はこの物質がなければ、ガンダムもザクも動かすことができない?

「木星帰り」がひと目置かれるのも納得?

「木星帰り」のシャリア・ブルの愛機「ブラウ・ブロ」。画像は「1/550 MAN-03 ブラウ・ブロ」(BANDAI SPIRITS) (C)創通・サンライズ
「木星帰り」のシャリア・ブルの愛機「ブラウ・ブロ」。画像は「1/550 MAN-03 ブラウ・ブロ」(BANDAI SPIRITS) (C)創通・サンライズ

 2025年6月10日深夜放送の『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』第10話を受けて、「シャリア」がXでトレンド入り。注目を集めるガンダムキャラクター「シャリア・ブル」は、「木星帰りの男」として紹介されることが多いですが、そもそもなぜ木星が重要なのでしょうか。

 実は、木星で多く採取できる「ヘリウム3」がなければ、ガンダムをはじめとするモビルスーツは、動かすことができないのです。

 ガンダムの世界でモビルスーツや宇宙艦艇を動かしているのは、「ミノフスキー・イヨネスコ型熱核反応炉」と呼ばれる核融合エンジンです。この核融合反応を起こすために必要なのが「ヘリウム3」という燃料です。なお、現実世界でも実在する物質で、核融合の燃料として非常に優秀とされています。

 しかし、地球上や月面ではわずかしか採取できず、そこで目をつけられたのが、大気中に豊富にヘリウム3を含んでいる木星でした。

 この貴重なヘリウム3を地球圏に運搬する任務を担っているのが「木星船団公社」です。地球から約9億km離れた木星まで往復4~5年をかけて航海し、ヘリウム3の採掘・運搬を行う組織として活動していました。

 注目すべきは、木星船団公社が連邦政府にもジオン公国にも属さない「中立組織」だったことです。しかし、連邦政府はジオン公国への経済制裁の一環として、軍事利用されるヘリウム3の「禁輸措置」を発動。ジオン側は独自に木星船団を組織し派遣するようになり、そのキャプテンのひとりがシャリア・ブルでした。

 木星でのヘリウム3採掘がどれほど過酷な作業だったかは想像に難くありません。木星は地球の約10倍のサイズを持ち、重力も地球の2.4倍。常に厚い雲で覆われ、「大赤斑」と呼ばれる巨大な嵐が渦巻く環境です。

 こうした極限状況での長期間の航海は、乗組員に深刻な心理的負担をもたらしました。閉鎖空間での4~5年という歳月は、精神的に錯乱してしまう者も少なくなかったようです。そのため、船団のキャプテンには優れた統率力と判断力を持つ人物が選ばれる必要があり、シャリア・ブルもそういった素質を持ち合わせていた人物だと考えられます。

 この厳しい環境を乗り越え地球圏に帰還した「木星帰り」のなかには、シャリア・ブルのようにニュータイプ能力を発現させる者がいました。これは長期間、特異な環境に身を置いていたため能力を目覚めさせるきっかけになったのではないか、とガンダム世界ではいわれています。

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 こうして見ると、木星はガンダムの世界観にとって欠かせない存在だということがわかります。華々しい戦闘シーンの陰で、9億km彼方の木星で命がけの採掘作業に従事する人々がいたからこそ、モビルスーツは戦場を駆け抜けることができたのです。

 シャリア・ブルが「木星帰りの男」として一目置かれるのも、単に遠い場所から帰ってきたからではないでしょう。人類文明の根幹を支える重要な任務を果たし、極限の環境を生き抜いてきた証として、その肩書きには深い敬意が込めれているように感じます。

(マグミクス編集部)

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