『ガンダム』シャリア・ブルが木星から持ち帰った「ヘリウム3」の資源的価値は? 命がけの航行も「納得」
マグミクスが配信したシャリア・ブルとヘリウム3に関する解説記事が、反響を集めています。理系ファンからの科学考察、キャラクターの心理面に注目する感情派、他作品との比較を行う考察派まで、ガンダムファンからの多様な意見が寄せられています。
実は現実世界にもある「ヘリウム3」

マグミクスが先日配信した「『ガンダム』シャリア・ブルが木星から持ち帰った『ヘリウム3』ってなに? 命がけも納得(?)な資源価値」という記事に、多くの反響が寄せられています。2025年6月10日深夜放送の『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』第10話で「シャリア・ブル」が注目されるなか、ヘリウム3の科学的価値やシャリアの過去についてさまざまな考察が寄せられています。
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元となる記事では、ガンダム世界でモビルスーツの動力源となる「ミノフスキー・イヨネスコ型熱核反応炉」に必要なヘリウム3について紹介しました。
地球上や月面ではわずかしか採取できないこの貴重な燃料を求めて、地球から約9億km離れた木星まで往復4~5年をかけて航海していたのが「木星船団公社」です。
この木星船団公社は、連邦政府にもジオン公国にも属さない「中立組織」として機能していました。しかし、連邦政府がジオン公国への経済制裁の一環として、軍事利用されるヘリウム3の「禁輸措置」を発動したため、ジオン側は独自に木星船団を組織し派遣するようになり、そのキャプテンのひとりがシャリア・ブルでした。
木星は地球の約10倍のサイズを持ち、重力も地球の2.4倍で、常に厚い雲で覆われ、「大赤斑」と呼ばれる巨大な嵐が渦巻く環境です。こうした極限状況での長期間の航海は、乗組員に深刻な心理的負担をもたらしました。閉鎖空間での4~5年という歳月は、精神的に錯乱してしまう者も少なくなかったようです。
船団のキャプテンには優れた統率力と判断力を持つ人物が選ばれる必要があり、シャリア・ブルもそういった素質を持ち合わせていた人物だと考えられます。この厳しい環境を乗り越え地球圏に帰還した「木星帰り」のなかには、シャリア・ブルのようにニュータイプ能力を発現させる者もいました。彼が「木星帰りの男」として一目置かれるのは、人類文明の根幹を支える重要な任務を果たし、極限の環境を生き抜いてきた証として、その肩書きには深い敬意が込めれられているように感じさせます。
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読者からはさまざまな意見が寄せられるなか、シャリア・ブルら木星へ採掘に向かったクルーたちに注目する人が多いようでした。木星の巨大で不気味な外観が宇宙船の窓から常に見える環境で、何か月もの長期間を過ごすことによる心理的影響について言及したコメントや、「往復数年のほとんどが刺激の無い航行」という過酷な環境が、極限状態でニュータイプ能力を覚醒させる要因になったのではないか、といった考察が寄せられています。
さらに理系知識を持つ読者から科学的な解説コメントも目立ちました。現実世界でもヘリウム3は、クリーンな核燃料として注目されているほか、少しの量で膨大なエネルギーを作るとされています。しかし、普通の重水素同士の核融合よりもずっと高い温度が必要なため、技術的にはハードルが高い。それをガンダムの宇宙世紀では、ミノフスキー物理学によって実現されている……といった趣旨の解説に対し、多くの読者が「なるほど」「勉強になった」と反応を見せていました。
(マグミクス編集部)