【望月英の「今から始める!」洋ゲーガイド(15)】eスポーツで生まれた本物のドラマ、その結末
ゲームで勝敗を競い合う「eスポーツ」の大会では、リアルスポーツと同様に、心をゆさぶる本物のドラマが生み出されています。世界的人気のシューターゲーム『Overwatch』の頂上決戦で繰り広げられた戦いについて、洋ゲーに詳しい声優、望月英さんが語ります。
「打倒韓国」vs「不敗神話」。とてつもない物語が始まる

皆さまこんにちは! 望月英でございます。長かった緊急事態宣言が解けましたね……とはいえ、自分で心がける対策や行動はまだまだ大切な時期。そんな認識をしっかりと持っていきたいところです。健康じゃないとゲームも全力で楽しめませんからね!
さて、前回の「洋ゲーガイド」ではシューターゲーム『Overwatch』(以下、OW)の歴史におけるドラマの発端を紹介しました。今回はその続きです。圧倒的な「eスポーツ力」を見せつけた韓国と、背中を追う世界のその後を語っていきます!
前回お話しした、『OW』で初となる2016年のワールドカップ。改めて書きますが、韓国は文字通り圧倒的でした。グループリーグから決勝に至るまで一度も試合を落とすことなく、まさに「蹂躙」という言葉が似合う戦い。
6人の選手がひとつの生き物なのかと思うほどの緻密なチームワークで各国のキープレイヤーを倒し、そこから崩れていった戦線を瞬く間に制圧していく試合展開。
シューターゲームでは実力に差があったり、わずかな戦況の綻びから一方的な戦いになると、リスポーン(復活)地点から戦いを動かすことができなくなる「リスポーンキル」と呼ばれる状態になってしまうのですが、まさかW杯の決勝でそれが繰り広げられてしまうという光景を、誰が想像できたでしょうか!
試合間のマップ切り替え中に映し出された、決勝相手のロシアチーム選手の力ない笑顔は、今でも覚えています。もはや笑うしかないほどの差。当時のSNSでも、「ここまで差があるのかよ…」という悲痛の声が続出。韓国のeスポーツにかける力を、世界が思い知らされたW杯でした。
そして、ここから各国の「打倒韓国」追究が始まります。始まるのですが……次の年に行われた2017年、続く2018年、韓国は怒涛のW杯3連覇を達成します。
「もうOWは韓国一強のまま歴史が続くのか」
そんな声も囁かれるなか、各国のプロゲーマーは諦めませんでした。続く2019年W杯、遂に歴史が動きます。