【金ロー】『レディ・プレイヤー1』 心ときめく仮想世界で「俺はガンダムで行く!」
スティーブン・スピルバーグ監督のSF大作『レディ・プレイヤー1』が、地上波初オンエアされます。『機動戦士ガンダム』『AKIRA』『バック・トゥ・ザ・フューチャー』など、1980年代のポップカルチャーシーンを賑わせた人気アイコンが目白押しです。100%娯楽作に隠された、スピルバーグ監督の想いを探ります。
ガンダム、メカゴジラ、金田バイクも登場

「俺はガンダムで行く!」
ダイトウ(CV:森崎ウィン)のそんな台詞が、パワーワードとして注目を集めそうです。スティーブン・スピルバーグ監督のSF映画『レディ・プレイヤー1』(2018年)が、2020年7月3日(金)の「金曜ロードSHOW!」(日本テレビ系)で地上波初放映されます。放送枠を拡大してのオンエアとなります。
スピルバーグ監督というと、『シンドラーのリスト』(1993年)がアカデミー賞作品賞・監督賞などを受賞した巨匠監督。近年は、実話系の社会派作品を手がけることが多くなっています。一方、アーネスト・クラインの小説『ゲームウォーズ』を原作にした本作は、徹底したエンタメ作品です。『インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説』(1984年)や『ジュラシック・パーク』(1993年)のような、ワクワクする冒険ファンタジーとなっています。
「オアシス」と呼ばれる近未来のバーチャルリアリティー(仮想空間)の世界を舞台にしており、『機動戦士ガンダム』(テレビ朝日系)や『ゴジラ対メカゴジラ』(1974年)のメカゴジラ、『AKIRA』(1988年)の金田バイクなど、日本発のアニメや特撮作品の人気アイコンが続々と登場します。序盤のカーレースシーンは、アーケードゲーム『ドンキーコング』を思わせる設定です。一瞬も目を離すことができません。
時代は2045年。経済格差が激しくなり、多くの人が無料で参加できる仮想空間「オアシス」に夢中になっています。スラム街で暮らすオタク少年・ウェイド(タイ・シェリダン)も、そのひとり。オアシスの創設者ジェームズ・ハリデーがオアシス内に隠した宝物を、オンライン仲間のエイチやダイトウたちと協力して見つけ出そうとします。
この宝物を見つけた人には、オアシスの所有権とハリデーが遺した莫大な財産が譲渡されるため、みんな一攫千金を目指して血眼で探しています。そんななか、ウェイドのアバターである銀髪の少年パーシヴァルは、金田バイクに乗るワイルドな少女アルテミスと出会うのでした。
パーシヴァルが運転するのは、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』(1985年)でおなじみのデロリアン。他にも『チャイルド・プレイ』(1988年)や『アイアン・ジャイアント』(1999年)などの人気キャラも。著作権上の問題から人気キャラの取り扱いはとても難しいのですが、世界中のクリエイターたちがリスペクトするスピルバーグ監督作品ということで実現したわけです。まさに夢の競演です。
とりわけ、メカゴジラ、アイアン・ジャイアント、ガンダムが入り乱れるクライマックスは、ハリウッド版「スーパーロボット大戦」かよ、と叫びたくなるほどです。