『がんばらなくても死なない』漫画で伝える竹内絢香さん。苦しい事を選んでしまうあなたへ
がんばることは素晴らしいけれど、気づいたら無理をしていませんか? 肩の力を抜いて、「機嫌よく生きる」ヒントを教えてくれるエッセイコミック『がんばらなくても死なない』が、2020年7月2日に発売されました。Twitterで多くの共感を集めた作品のコミック化にあわせ、著者の竹内絢香先生に話を聞きました。
さまざまな悩みから生まれた「暮らしのヒント」

「がんばることはいいこと」。頭ではそう分かっているけれど、苦労の多い毎日で気持ちがいっぱいいっぱいになってしまう……。そんな経験がある方は、多いのではないでしょうか。漫画家・イラストレーターの竹内絢香先生(@ayakatakeuchi56)もそのひとりでした。2020年7月2日(木)に、「がんばりすぎ」な自分をひと休みさせるヒントを詰め込んだコミックエッセイ『がんばらなくても死なない』を刊行した、竹内先生にお話を聞きました。
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ーー竹内先生自身が「がんばらなくていいんだ」と気づいた、最初のきっかけを教えて下さい。
「がんばりたくてもがんばれない」状態になったことがきっかけでした。皆が当たり前にできることでも、自分にはできないことがあると理解したんです。
「自分はできない」と認めることは、情けなくて怖いことでもあるのですが、諦めることでものすごく気持ちが楽になりました。そこから「じゃあどうしたらいいか」と気持ちを切り替えて、自分なりの視点でものごとを考えられるようになったと思います。
ーー竹内先生はTwitter上で、「人生を少し気楽に生きるヒント」をマンガで発信していました。ご自身の気付きやヒントを、マンガで伝えたいと思った理由は何だったのでしょうか?
このマンガを描き始めたのは、Twitterでフォロワーさんが増えた頃です。実は当時、「絵が下手」とか「内容が変」といった否定的なコメントもたくさん届くようになって、絵を描くのが怖くなってしまった状態でした……。
このシリーズの最初のマンガは、そういった苦しい状況で「何か描かなきゃ」というプレッシャーを抱えながら、一番身近な自分自身のことから描き始めてみようと着手したものでした。
その内容に大きな反響をいただき、「私と同じように、悩みながら生きている人がたくさんいるんだな」と感じました。そこで、自分が以前から考えていた「暮らしのヒント」みたいなものを、整理して共有していこうと思ったんです。当時は私自身、難しさを抱えていた時期でもありました。描くことは自分の悩みに向き合って、それを分解して、マンガとして昇華させる行為でもあったと思っています。