【漫画】電話が鳴り、急ぐ女性 夜道を走るなか見たものは? セリフなしで描く疾走感
ある夜、家でくつろいでいた女性の電話が鳴りました。メッセージを確認した女性は顔を輝かせ、家を出て夜道を走り出します……。二階堂幸さんによる短編集『ありがとうって言って』が発売されました。収録作品のひとつ、サイレントマンガ『RUN!』の疾走感が反響を呼んでいます。
セリフなしでも面白い、絵だけで伝えるサイレントマンガ
ある夜、家でくつろいでいた女性の電話が鳴りました。メッセージを確認した女性は顔を輝かせ、出かける準備を始めます。家を飛び出して走り出す女性。夜道を駆け抜けるなか、彼女はさまざまなものを目にします……。
二階堂幸さん(@nikaidooooooooo)による短編集『ありがとうって言って』が2020年7月13日(月)に発売されました。『ありがとうって言って』には新作の短編マンガ7作品が収録されています。冒頭でご紹介したのは収録作品のひとつ『RUN!』。二階堂幸さんにとって初めてとなる、セリフなしのサイレントマンガです。Twitterで作品の一部が公開されると、読者から「セリフなしでも面白い」「女の子の表情がかわいい」「素晴らしい疾走感」などの声があがりました。
短編集について、作者の二階堂幸さんにお話を聞きました。
ーー漫画家としてのデビューのきっかけを教えて下さい。
もともとマンガとは関係ない食べ物とかの絵を描いていたのですが、角川の担当の方からマンガを描いてみないかと誘いがあり、描いてみたマンガ『ヒメの惰飯』がデビュー作になりました。それまでマンガを描いたことはなかったです。
ーー短編集『ありがとうって言って』には短編マンガ7作品が収録されていますが、収録する作品はどのようにして選ばれましたか?
今回の短編集は、「短編集を作ろう」というところから出発し、新作だけ収録されています。本来であればその時点で描いていた読み切り作品を入れるのが短編集としてはベターなのですが、本作の担当編集の方と作ったものが入らない形になるので、それよりは、担当編集の方としっかり組んで作った方が楽しいですし、一冊の統一感も出るかなと思いまして。許してくださった編集部には頭が上がりません。
ーー収録作品『RUN!』は、初めてのセリフなしのサイレントマンガだったそうですが、ひとコマごとに登場人物の動作や表情が豊かに表現されていて、それぞれの状況や感情がとてもよく伝わってきました。作画で苦労なさった点、工夫なさった点などはありましたか?
困ったということはありませんでした。むしろセリフがないから文字で悩む必要がないですから。セリフがない分、絵的に遊びをたくさん入れられたので楽しく描けました。
ーー短編集『ありがとうって言って』を読む方へ、ひと言メッセージをお願いします。
Webコミックサイト「コミックDAYS」で1話ごとに読めるのですが、実はそれぞれのお話の掲載順が本とWebでは全然違ったりします。本でしか読めない連作もあります。本来の順番で読んでみるとまた違った読み味に……なるかもしれません。
ーー今後の創作活動において、目指していること、やってみたいことなどがあれば教えて下さい。
2019年は短編集にかかりきりで新しい作品の発表がほとんどなかったのですが、2020年は短編集をはじめとして、しっかりと世に作品を出していければいいな、なんて思います。
(マグミクス編集部)