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『あんぱん』最終回はどこまで? モデル・暢(のぶ)さんは1993年死去、他に「ロス」が描かれそうなのは

『あんぱん』26週の予告では、のぶの病床の姿も描かれました。はたして、物語はどこまで描かれるのでしょうか。

最終週は悲しい場面も多そう?

柳井のぶ役の今田美桜さん(2018年12月、時事通信フォト)
柳井のぶ役の今田美桜さん(2018年12月、時事通信フォト)

『アンパンマン』の作者、やなせたかしさんとその妻の暢さんをモデルにしたNHK連続テレビ小説『あんぱん』は、いよいよ最終の第26週「愛と勇気だけが友達さ」に突入します。125話の最後で流れた予告では、主人公「柳井のぶ(演:今田美桜)」が入院しているカットもありました。果たして、のぶはどうなってしまうのでしょうか。

※この記事ではドラマ『あんぱん』のネタバレにつながる情報に触れています。

 やなせさんを長年支えた妻の暢さんは、アニメ『それいけ!アンパンマン』が始まった1988年にがんが見つかり、当初は余命3か月と言われていました。その後、回復するもがんは進行し、暢さんは1993年11月22日に75歳でこの世を去ります。最期は苦しむこともなく、やなせさんに看取られたそうです。

 朝ドラで主人公が病気で苦しむところ、死ぬところは見たくないという視聴者も多いでしょうが、『あんぱん』最終回はどの時代で終わるのでしょうか。

 ヒントになるのは、のぶの茶道教室の生徒、「中尾星子(演:古川琴音)」さんの存在です。彼女のモデルは、暢さんとお茶の教室で出会い、1992年から2013年にかけて、やなせさんが94歳で亡くなるまで秘書として働き、現在はやなせさんの作品を管理する株式会社やなせスタジオの代表取締役を務めている越尾正子さんだと思われます。

 キャスト発表時の古川琴音さんや、ドラマのチーフプロデューサーである倉崎憲さんのコメントでは、『アンパンマン』の魅力に早くから気付く星子は「やないさんとのぶさんを最後まで支え、2人の想いを引き継ぎアンパンマンを次の世代へ繋げている」「やない夫婦の意志を受け継いでいく」人物だそうです。

 26週の予告では、のぶが「あなたはアンパンマンを好きになってくれた」と、おそらく星子に語りかけていると思われる場面もありました。越尾さんは1992年の春、前職を辞めたことを暢さんに報告したときに、やなせさんのスタジオで働かないかと誘われたそうです。26週では、のぶが「アンパンマンを好きになってくれた」星子を、秘書としてスカウトする場面があるのかもしれません。

 のぶの最期まで描かれるかは不明でも、物語は1992年までは進むと思われます。そうなると、他にも「ロス」が描かれるキャラが出てきそうです。

 まず、「柳井嵩(演:北村匠海)」が尊敬してやまない年下の天才漫画家「手嶌治虫(演:眞栄田郷敦)」は、26週のどこかで死去すると思われます。手嶌のモデルで言わずと知れた「マンガの神様」である手塚治虫さんは、胃ガンのため平成元年の1989年2月9日、60歳の若さでこの世を去りました。やなせさんが70歳の誕生日を迎えた、89年2月6日の3日後のことです。

 やなせさんは手塚さんの早すぎる死を悼み、著書『アンパンマンの遺書』(岩波書店)では、「アンパンマンは鉄腕アトムとすれちがった」(1988年10月にアニメ『それいけ!アンパンマン』が始まったばかりだったため)と綴っています。

 また、嵩の親友の作曲家「いせたくや(大森元貴)」も、最終回までにその最期が描かれる可能性が高そうです。モデルの作曲家でやなせさんと長年仕事をした仲間であるいずみたくさんは、1992年の5月11日に肝不全のため62歳で亡くなりました。

『アンパンマンの遺書』では、いずみさんが病床でも仕事を続けていたことが語られています。やなせさんと長年続けた『アンパンマン』のミュージカルシリーズ第6弾『それいけ!アンパンマン-アンパンマンと勇気の花』(1992年)の挿入歌「進め!アンパンマン号」は、鉛筆を持つ力も失ったいずみさんが、夫人の庸子さんに口でメロディーを伝えて楽譜に書いてもらう形で完成したそうです。

 人気キャラの退場でSNSに悲しみの声があふれることが予想される一方、史実を見ると最終回まで登場しそうな登場人物もいます。のぶの妹「朝田蘭子(演:河合優実)」のモデル、瑛(えい)さんは2003年まで生きており、母「朝田羽多子(演:江口のりこ)」のモデルである登女(とめ)さんは1996年に101歳で亡くなりました。

「八木信之介(演:妻夫木聡)」のモデルである株式会社サンリオの創業者、辻信太郎さんは現在97歳(1927年生まれ)でご存命ですが、ドラマでは嵩よりも年上の設定のため、どうなるかは未知数です。また、26週の予告で笑顔を見せていたパン職人「屋村草吉(演:阿部サダヲ)」は、完全オリジナルキャラで年齢不詳ですが、嵩たちよりもかなり年上のはずです。

 124話で世帯視聴率が17.7%を記録するなど、近年の朝ドラ屈指の人気作となった『あんぱん』最終週では、いくつか悲しい場面もあると思われます。それでも最後はのぶや嵩たち、そしてアンパンマンとその仲間たちが物語を明るく締めくくってくれることに期待しましょう。

(マグミクス編集部)

【画像】え…っ? 「めっちゃ美人」「こりゃホレるわ」 こちらがやなせたかしさんが生涯愛した妻・暢(のぶ)さんの若き日の姿です

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