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なぜ『ガンダムW』に多くの女性が熱中したのか? 「ガンダム」だけでは見えない「背景」とは

30周年を迎える今年、各コンテンツでいくつもの動きを見せる『新機動戦記ガンダムW』の根強い人気の秘密は、「ガンダム」シリーズだけを見ていてもわからない部分にありました。

『Wガンダム』ヒットを支えた女性層の増加

『新機動戦記ガンダムW』30周年記念ビジュアル (C) 創通・サンライズ
『新機動戦記ガンダムW』30周年記念ビジュアル (C) 創通・サンライズ

 本年2025年にTV放送30周年を迎えた『新機動戦記ガンダムW』の人気は現在でも高く、さまざまなジャンルで新たな動きがありました。この根強い人気の秘密はどこにあるのでしょうか。

『W』は、長らく「ガンダム」シリーズの舞台だった「宇宙世紀」ではなく、前番組『機動武闘伝Gガンダム』のヒットを受けたことで、同じく違う世界観となる「アフターコロニー(A.C.)」を舞台とした物語でした。近年ではこれらを「オルタナティブシリーズ」と呼んでいます。

 一方で『G』とは異なり、世界観は宇宙世紀に寄せて「戦争」を描くというストーリーになりました。また当初の予定では『機動戦士ガンダム』から『機動戦士Vガンダム』までのストーリーの再現を図るなど、前番組『G』を否定的な目で見ていたファン層へのアピールも考えていたそうです。

 こういった経緯で始まった『W』でしたが、予想外のファン層からの強烈な支持を集めることになりました。それが女性層です。もともと「ガンダム」シリーズを注目する女性は一定数いましたが、それ以上の数の女性から支持を集める結果となりました。

 その女性から支持された要因が、主要キャラクターとなる「5人のガンダムパイロット」です。これは前番組『G』から引き継いだパターンでしたが、大きく違う点として5人全員が美少年であり、それぞれに見せ場が用意されていた点でしょう。

 この部分が特定の女性層に突き刺さったわけです。実際に当時のアニメ雑誌では、表紙はもちろんカラーページも席巻し、その勢いはとどまるところをしりませんでした。この現象ゆえに、当時のアニメファンから『W』は「女性ファンばかり」といわれることになります。

 もっとも、これは正確な分析ではありません。なぜなら「ガンダム」シリーズの主力商品である「ガンプラ」の売れ行きは好調で、『G』と同様に小学生が購入していたことがわかっています。それゆえ後にプラモ企画『新機動戦記ガンダムW デュアルストーリー G-UNIT』がスタートしました。

 しかし、こうした誤解を受けるほど当時の『W』の女性人気は高かったわけです。それではなぜ『W』にこれだけの女性ファンが引き付けられたのでしょうか。それは「ガンダム」シリーズだけを追っていると、見えてこない別の軸線があったからでした。

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