「真のヒロインはビーム」の声も 映画『チェンソーマン』レゼに負けない「可愛さ」でファンをざわつかせた魔人
『チェンソーマン』の連載時から、その忠実さが注目を集めていたサメの魔人「ビーム」。劇場版『チェンソーマン レゼ篇』の公開をきっかけに、さらに脚光を浴びています。映画を観たファンのなかには「真のヒロインはビーム」と語る人もいますが、では、そこまで人びとを魅了するビームの魅力とは何なのでしょうか?
ビームは真のヒロインで「正解!! 正解!!」

劇場版『チェンソーマン レゼ篇』の公開をきっかけに、サメの魔人「ビーム(CV:花江夏樹)」が一躍脚光を浴びています。従順で元気いっぱい、そして健気に「デンジ(CV:戸谷菊之介)」へ尽くす姿が、観客の心をつかんで離しません。
SNSには「レゼもかわいかったけど、ビームがかわいすぎた」「真のヒロインはビーム」「『チェンソーマン』随一の萌えキャラ」といった声が多く並び、その人気ぶりは本作のメインヒロインである「レゼ(CV:上田麗奈)」をしのぐ勢いです。では、いったいどこがファンに刺さっているのでしょうか?
ビームは、「パワー(CV:ファイルーズあい)」の代わりにデンジのバディとなった魔人です。普段は会話もままならないほど凶暴ですが、なぜかデンジのことを「チェンソー様」と呼び慕い、絶対服従の態度を示しています。たとえデンジに殴られようと、「触るんじゃねえ」「男は嫌いだ」などとそっけない態度を取られようとも、めげることなく好き好きアピールを続けていました。
本作に登場するヒロインといえば、劇場版のキーパーソンであるレゼをはじめ、バディのパワーや上司の「マキマ(CV:楠木ともり)」など、それぞれ個性的で魅力的なキャラクターがそろっています。しかしその反面、どこか危険性をはらんでいるのも特徴です。マキマとレゼは典型的な魔性の女で、パワーは性格に難が多く、何より本作に登場する女性キャラのほとんどがデンジの命を狙ったことがあります。
一方で、ビームはそうしたヒロインたちとは真逆の存在です。健気に尽くし、ときに身を挺してデンジを守る姿は、まるで忠犬のように映ります。他のヒロインにはあまり見られない忠実さやひたむきさを備えているからこそ、ビームの存在感はひときわ際立って見えるのでしょう。
また映画本編には、そうしたビームの魅力を強調する演出が随所に盛り込まれています。例えばビル内に吹き飛ばされた際には、床を転がるたびに「ぽよんぽよん」とコミカルな効果音が響き、もちもちとした柔らかさが表現されていました。
さらに別の場面では、サメの魔人であるビームから馬の効果音が鳴り響いたり、ゴキブリのように走り回るユーモラスな動きを見せたり、思わず笑ってしまう仕掛けも散りばめられています。殺伐とした展開が続く本作において、こうしたビームの存在は観客の心をふっと和ませるアクセントになっていたはずです。
そしてビームの魅力を語るうえで、花江夏樹さんの演技も欠かせません。ハイテンションさと忠誠心を絶妙に両立させた芝居は、まさにファンが求めていたビームそのものです。ネット上でも「花江ボイスのおかげでマスコット感と狂気さが増してかわいい」「花江夏樹さんのチギャウチギャウが良すぎた」などと絶賛の声が相次いでおり、いかに花江さんの演技がキャラクターの魅力を引き立てているかが分かります。
さらに米津玄師さんが歌う主題歌「IRIS OUT」の歌詞にも、ビームを連想するファンが続出しているようです。ストレートに受け取ればデンジのレゼへの陶酔を示している「今この世で君だけ大正解」というフレーズについて、SNSでは「『この世で君だけ大正解』で脳裏をビームくんが駆け抜けていった」「デンジ→レゼじゃなくて、ビーム→デンジの歌じゃないか?(笑)」といった声があがっていました。
その健気さとコミカルな所作で、『チェンソーマン』ヒロインレースの本命にまで躍り出たビーム。本作における魔人は、悪魔が人間の死体に憑依した存在ですが、もしビームの憑依先が女の子だったら、レゼの存在感さえ食ってしまう最強ヒロインになっていたかもしれません。
(ハララ書房)

