ウルトラマン、ゾフィーの胸と肩の「ボタン」はいったい何? 昭和に広まった色んな説
「ゾフィー」の胸にある「スターマーク」は、宇宙平和に多大な貢献をした者に贈られる勲章です。仲間で持っているのは、「ウルトラマンヒカリ」だけです。イボみたいに見えるので、ファンからは「イボ兄弟」と呼ばれています。
ボタンには機能性があった……はずだけど!?

「ゾフィー」と「ウルトラマン」を見分ける際、胸に「丸いボタン」(※記事内では突起物を「ボタン」と表記します)が、あるかないかで確かめる人は多いのではないでしょうか。ご存じの通り、ゾフィーには、胸に6対(12個)、そして上腕に3対(6個)のボタンが付いています。ところで、あのボタンは何なのかご存じでしょうか。
まず、現在の定説を紹介します。胸のボタンは「スターマーク」といって、かつて「光の国」に攻め込んできた宇宙人や、怪獣軍団を撃退した勲章として贈られました。上腕のボタンは、「ウルトラブレスター」といって、宇宙警備隊隊長の地位を示すものです。
つまり、いわば装飾的なもので機能性は特にないのです。……と聞いて、「うそ?」と驚くオールドファンは多いかもしれません。
昭和のウルトラシリーズでは、登場キャラクターなどの設定が細かく決まっていない部分が多々ありました。当時、子供向け雑誌でいろいろな情報が掲載されていましたが、雑誌によって異なっていたり、さらに玩具や菓子類といった関連商品のおまけなどに書いてある「うんちく」も雑誌などと違っていたりと、かなり曖昧だったのです。
もちろん、ゾフィーの「ボタン」に関するうんちくも紹介されていましたが、リサーチしてみると、主にふたつの説が広く知れ渡っていたと思われます。
有名なふたつの説
1970年代のある雑誌には、ゾフィーの胸にあるボタンが、「ウルトラブレスター」という体温調節機能であることが書いてあります。しかも、ゾフィーが生まれながらに持つ特殊器官という補足もありました。こちらは、ご存じの方も多いと思います。
また、同年代の雑誌には、胸と肩に付いているボタンが同じウルトラブレスターという名前で、「エネルギーを増やす装置」であることを説明する記述があります。この、「エネルギー増幅装置機能」という内容は、いくつかの雑誌などで紹介されたようです。
ゾフィーのボタンは、「体温調節機能」なのか「エネルギー増幅装置機能」なのか? 呼称は「ウルトラブレスター」なのか? 胸と上腕のボタンは別物なのか同列なのか? そういった点は、これまで明確になっていなかったように思います。
現在の定説ができたのは、『ウルトラマンタロウ』(1973~74年)あたりからです。当時はシリーズが続いて6人もの「ウルトラ兄弟」が誕生し、さらに「ウルトラの父・母」も含め、キャラクターが増えていました。
シリーズはすっかりブランド化していたのです。そんな自負もあってか、正確な情報を発信するために、全体の設定を少しずつ整理したのだと思われます。
そのなかで、ゾフィーの上腕のボタンは、「宇宙警備隊隊長の証である『ウルトラブレスター』」と呼称し、胸のボタンは「過去の功績をたたえた勲章である『スターマーク』」と、それぞれ明確化したのでしょう。それ以降、他の新情報は見当たりませんでした。
考えてみれば、ゾフィーは58年前に放送された『ウルトラマン』最終回で、「ゼットン」に倒されたウルトラマンを救うキャラとして急きょ創作されました。その際、ウルトラマンとの違いを表すデザインとして、胸と上腕部にボタンを付けたのです。このボタンが後々意味を持つアイテムになるとは、誰も思っていなかったでしょう。
※記事の一部を修正しました。(2025年11月11日15時55分)
(玉城夏)
