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史実踏まえるとまだトキと「正式に離婚してない」可能性も 『ばけばけ』早くも「再登場」望まれる銀二郎は今後どうなる

連続テレビ小説『ばけばけ』では、トキの元夫「銀二郎」へのロスの声が相次いでいます。彼の再登場はあるのでしょうか。

銀二郎の再登場の余地は結構ある?

寛一郎さん(時事通信フォト、2024年11月26日)
寛一郎さん(時事通信フォト、2024年11月26日)

 2025年後期のNHK連続テレビ小説『ばけばけ』は『知られぬ日本の面影』『怪談』などの名作文学を残した小泉八雲(パトリック・ラフカディオ・ハーン)さんと、彼を支え、さまざまな怪談を語った妻の小泉セツさんがモデルの物語です。

 本作の第4週目では、松野家を出奔した婿の「銀二郎(演:寛一郎)」を追いかけて、主人公「松野トキ(演:高石あかり)」が東京にやってきました。トキは銀二郎から東京で暮らそうと提案されるも、彼女は松野家の家族を見捨てられないと松江に戻ってきます。

 ふたりの切ない別れは話題を呼び、SNSでは「銀二郎ロス」で嘆く視聴者の声が相次ぎました。第5週ではついにトキの未来の夫「レフカダ・ヘブン(演:トミー・バストウ)」が登場したものの、まだ銀二郎が忘れられず、彼の再登場を願う人びとの意見も多数出ています。前作の連続テレビ小説『あんぱん』の「若松次郎(演:中島歩)」のように主人公と死別したわけではないので、銀二郎が再び物語にからんでくる可能性はありますが、果たしてどうなるのでしょうか。

※ここから先の記事では、『ばけばけ』の今後の物語のネタバレにつながる情報に触れています。

 トキのモデルの小泉セツさんは、1886年に養子として育った稲垣家に、前田為二さんという鳥取の士族出身の婿を迎えて結婚しました。しかし、為二さんは多額の借金を抱えた稲垣家での生活が耐えられず、1887年に出奔してしまいます。セツさんは大阪まで彼を追いかけましたが、連れ戻すことはできず、ふたりは別れました。

 島根県松江市が発行している冊子『一から知りたい~小泉八雲とセツの物語』には、セツさんと別れた後の為二さんに関する情報が載っています。後年、セツさんの遠縁の親戚が為二さんと会った際に、彼が岡山で会社を経営して財を成し、家族を作っていることが明らかになったそうです。いつ頃会社を興したのかは不明ですが、大阪で商売を学んだのちに、地元に近い岡山で起業したのかもしれません。

 為二さんと違い東京に出た銀二郎は今後、関東圏で商売を成功させるのでしょうか。史実では、セツさんとラフカディオ・ハーンさんは、1896年から東京に住んでいます(ハーンさんが東京帝国大学の講師になったため)。トキとヘブンものちに東京に移住するなら、そこで社長となった銀二郎と再会するという可能性もありそうです。

 また、銀二郎がトキと「正式に離婚」するために再登場する、という展開も考えられます。史実で為二さんが稲垣家を出て行ったのは1887年のことですが、セツさんと為二さんが戸籍上で正式に離婚したのは、1890年の1月13日だったそうです。この際、セツさんは生家の小泉家に復籍しました。

 松江市の市制が施行され、市役所ができたのが1889年4月1日のことだったため、別れから正式な離婚の手続きまで時間が空いてしまったのかもしれません。

『ばけばけ』21話時点で物語は1890年まで進んでいますが、トキはまだ生家の雨清水家に復籍していないようです。史実と照らし合わせると、まだトキは離婚手続きをしておらず、戸籍上では銀二郎との婚姻関係が続いている可能性も考えられます。今後トキがヘブンと出会い、彼と結婚するまでに、再登場した銀二郎と正式に別れるという展開もあるかもしれません。

 セツさんと為二さんが後年再会したという記録はないものの、銀二郎を再登場させる余地はありそうです。銀二郎役の寛一郎さんは『ばけばけ』公式サイトに掲載されたインタビューで、「自分の生き方を見つけること、『自由』を求める銀二郎がどんな人間になっていくのかは、僕も楽しみにしているところです」と語っています。単なる「主人公の元夫」で終わらない活躍を期待したいところです。

※高石あかりさんの「高」は「はしごだか」が正式表記。

参考書籍:『八雲の妻 小泉セツの生涯』(著:長谷川洋二/潮出版社)、『セツと八雲』(著:小泉凡/朝日新聞出版)、『一から知りたい~小泉八雲とセツの物語』(松江市文化スポーツ部文化振興課)

(マグミクス編集部)

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