故・仲代達矢さんの数少ない「アニメ・マンガの仕事」とは 想像しがたい「気弱な男」を演じて…?
昭和の名優、仲代達矢さんが亡くなったことが報道されました。映画界に残した多大な功績の一方、数少ないマンガ実写化やアニメの仕事でも強い印象を残していました。
国民的作品の「実写化」で意外な役どころを?

小林正樹監督の『人間の条件』、黒澤明監督の『椿三十郎』など、数々の名作映画に出演した俳優の仲代達矢さんが、92歳で亡くなったことが明らかになりました。仲代さんは、映画やドラマへの出演と並行して、俳優を育成する私塾「無名塾」を主宰して後進を育て、2015年に文化勲章を受章するなど、映画界に多大な功績を残しました。
その長い映画人生のなかで、アニメ作品などへの出演はほとんどありませんでしたが、数少ないふたつの作品で強い印象を残しています。
そのひとつが、国民的アニメ『サザエさん』の放送よりも前、1956年に江利チエミさん主演で公開された実写映画『サザエさん』です。

若き日の仲代達矢さんは同作で、サザエの親戚で、磯野家に居候することになるノリスケを演じています。数々の映画での重厚な存在感からは想像もつかない、線の細い気弱な会社員として登場しています。
新聞社に勤務するノリスケは、お見合いの相手がいる一方で、別の女性と恋に落ちるのですが、その相手はサザエの親友のミチコで……といった具合に、多くの見せ場が描かれています。この1956年の『サザエさん』は、Amazon Prime Videoで視聴可能です。
もうひとつ、仲代達矢さんはスタジオジブリの映画『かぐや姫の物語』で声の出演を務めています。その役は「炭焼きの老人」で、セリフは「見てご覧、樹々が春の支度をしているんだ」という短いものでしたが、印象的な場面になっています。
(マグミクス編集部)