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「ファミコンウォーズが出るぞ!」ゲーム映像を一切使わずインパクトを残したCM

ウォー・シミュレーション未体験者に最適なゲーム性

 さてこの時期、ウォー・シミュレーションゲームは主にボードゲームやパソコンゲームで遊ばれているジャンルでした。特にパソコンではシステムソフトの『大戦略』という名作がすでに登場しており、年長の方々に大人気だったと聞いています。

 しかしながら、ファミコンでゲームにハマった小中学生にとって、ウォー・シミュレーションゲームは未体験に近いジャンルでした。厳密に言えばディスクシステムで発売された『SDガンダムワールド ガチャポン戦士 スクランブルウォーズ』が多くの子供たちにとって初めてのウォー・シミュレーションだったとは思いますが、このタイトルはあくまでも「ガンダム」のゲームであり、駒として使用するユニットもガンダムのなかに登場する、親しみのあるものでした。

 その点、『ファミコンウォーズ』は詳細な設定を重視する傾向にあるウォー・シミュレーションでは異例ともいえる、ユニットの簡略化を行っていました。たとえば戦車なら戦車、自走砲なら自走砲という具合にです。これが他のゲームであれば、機種ごとに細かく仕様を設けるところでしょうが、ここをざっくりと排除したことにより、ユニットの種類や役割がとても分かりやすくなっていたのです。

 また、戦闘の結果にランダム性がほとんどなく、あるユニットにどのユニットをぶつけたら、どれだけの戦果が上がるのか、損害が出るのか計算しやすくなっていました。ユニット同士の相性もはっきりしており、いうなれば、フィールドマップを使って行う緻密なじゃんけん大会のようなゲームとなっていたのです。

 筆者は『ファミコンウォーズ』を買ってもらえなかったのでしばしば友人宅で対戦させてもらいましたが、大抵の場合、やりこんでいる友人には歯が立たず、悔しい思いをさせられていたのを思い出します。あのときは、ゲームを攻略するのではなく、人と戦う面白さを味わっていたのだと気づいたのはごく最近のことです。

 人の考えた陣形や戦術を、自分の考えで撃破する。この概念を教えてくれたのが、『ファミコンウォーズ』でした。おそらく、同じような経験を持つ方は多いのではないでしょうか。

(ライター 早川清一朗)

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