声優・石塚運昇氏を偲ぶ オーキド博士、ジェット・ブラック…深く、渋みのある声
2018年8月13日、声優の石塚運昇氏が亡くなりました。67歳でした。深く、渋みのある低音の声の持ち主で、『カウボーイ・ビバップ』ジェット・ブラック、アニメ『ポケットモンスター』オーキド博士などで愛された声優です。
石塚運昇氏を偲ぶ

8月13日は、2018年に亡くなった声優・石塚運昇(いしづか・うんしょう)氏の命日です。深く、渋みのある低音の声の持ち主で、『カウボーイ・ビバップ』のジェット・ブラックのように一本筋金の入った男を演じさせれば右に出る方はいない、そう思わせるだけの実力と実績を持っている方でした。また、アニメ「ポケットモンスター」シリーズでは長くオーキド博士を演じ、ときには石塚氏自身がオーキド博士に扮装して顔出し出演するなど、切っても切れない縁がありました。『マクロスプラス』のガルド・ゴア・ボーマン役で最初に石塚氏を意識し、その後アニメやゲーム、洋画の吹き替えなどさまざまな形で石塚氏の声に親しんできたライターの早川清一朗さんが、石塚氏を追悼します。
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まだ2年しか経っていないのか、もう2年経ってしまったのか。石塚氏が食道がんで亡くなられてから、もうそれだけの時間が経過してしまいました。67歳、決して若いとは言えませんが、まだまだ活躍できる年齢でした。本当に残念です。
さて、筆者が石塚氏の存在を最初に意識した作品は、OVA『マクロスプラス』でした。『超時空要塞マクロス』の続編として製作された本作は、総監督の河森正治氏や徳木監督の板野一郎氏など、「マクロス」シリーズでおなじみのスタッフに加え、多くの超一流クリエイターが集結したタイトルです。この作品に石塚氏は山崎たくみ氏が演じる主人公イサム・ダイソンのライバル、ガルド・ゴア・ボーマン役で出演していました。
監督を務めた渡辺信一郎氏(以下、渡辺氏)は「アニメ作品にはひとりの芝居に影響されて周囲が合わせていくようになる、芝居のトーンを決定づける人がいる。『マクロスプラス』の芝居を決定づけたのは石塚さんの演技だった」と後に語っています。石塚氏の演技の存在感の強さが圧倒的だったことを如実に物語るエピソードです。