3クール以上の長編名作アニメ3選 恐ろしく時間が溶ける楽しい“沼”へようこそ!
お盆に毎年帰省していても、2020年は新型コロナウイルスの影響で見送ることにした方もいらっしゃるのではないでしょうか。帰省できてもあまり遠出はしにくいので、例年以上に時間が余ってしまうかもしれません。そんな時には、普段手を付けにくい長編アニメに挑戦してみてはいかがでしょうか。ぜひ見ていただきたい3作品をご紹介します。
伝奇活劇に青春バレー、ブラック寄りのコメディギャグ…あなたはどのアニメを選ぶ?
2020年のお盆休みは帰省しない方や、帰省してもそれ以上の遠出はしない方も多いかもしれません。時間が余ってしまった時は未見アニメを消化するチャンスですが、この時期は特に普段なら途中で挫折しかねない「3クール以上の長編アニメ」をおすすめします。さまざまなジャンルの「長いからこそぜひ見たい長編アニメ」を3作品ご紹介。SNSでも「何度見返しても楽しめる良い作品」「愉悦だ」と評判です。
●「Fate」シリーズ(2006年1月~放送)
![『劇場版「Fate/stay night [Heaven’s Feel]」I.presage flower』(2017年) (C)Nitroplus/TYPE-MOON・ufotable・FZPC](https://magmix.jp/wp-content/uploads/2020/08/200813-chohen-01-211x300.jpg)
「Fate」シリーズは、主にPCゲーム『Fate/stay night』を原作として作られたアニメシリーズで、『Fate/stay night』『Fate/stay night [Unlimited Blade Works]』『Fate/Zero』などさまざまな作品が制作されてきました。原作ゲームのルート別に各作品が作られており、主人公は同じですがヒロインや展開、時代などが作品ごとに異なります。アーサー王やクーフーリン、メドゥーサなど、神話や偉人伝の登場人物が「サーヴァント」として召喚され戦う壮大な世界観に、数多くのファンが魅了されている名作シリーズです。
ある大災害により孤児となった衛宮士郎(えみや・しろう/CV:杉山紀彰)は、魔術師である衛宮切嗣(えみや・きりつぐ/CV:小山力也)に助けられ、養子となって暮らしていました。10年後、高校生になった士郎は、あらゆる願いを叶える「聖杯」を巡り殺しあう「聖杯戦争」に巻き込まれ、魔術師として戦うことに。魔術をほとんど使えない士郎ですが、共に戦う英霊「サーヴァント」のなかでも最強のクラスであるセイバー(CV:川澄綾子)を召喚します。果たして、士郎は聖杯戦争を勝ち抜くことができるのでしょうか(『Fate/stay night』より)。
聖杯を巡り殺しあうという残酷な戦いに、強大な力を持つ英霊たちと共に立ち向かう「Fate」シリーズ。各登場人物の聖杯にかける思いや背景、サーヴァントとの関係値など、さまざまな要素が絡み合い、色濃く展開していく様は必見です。特にアニメ制作会社ufotableの手がけた『Fate/stay night [Unlimited Blade Works] 』では映画のような映像美で「Fate」の壮大な世界観をあますところなく表現しており、その美しさだけでも一見の価値ありです。なお「Fate」シリーズに初めて触れる方には、視聴するのは放送順ではなく、以下の順を筆者はおすすめします。
1:『Fate/Zero』
2:『Fate/stay night [Unlimited Blade Works] 』
3:『Fate/stay night』
4:『Fate/stay night[Heaven’s Feel]』(劇場版3部作)
『Fate/Zero』はシリーズのメインストーリーとなる『Fate/stay night』の10年前を舞台としており、聖杯戦争についての解説がより多く含まれているため、先に見ることで物語を理解しやすくなります。また、『Fate/stay night[Heaven’s Feel]』の劇場版3作目は2020年8月15日(土)公開予定となっています。他にも、聖杯戦争の参加者のひとりに焦点を当てた『Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ』、登場人物たちが戦わずに食卓を囲む『衛宮さんちの今日のごはん』など、スピンオフ作品も多数。一度「Fate沼」にはまってしまうと、抜け出せなくなるかもしれません。この作品は、「dアニメストア」「Amazonプライム・ビデオ」「Netflix」などで見ることができます。
●『ハイキュー!!』(2014年4月~放送)

『ハイキュー!!』は同名マンガを原作とした、とある高校のバレーボール部の日々を描く青春スポーツアニメです。4期まで続く人気アニメである本作の原作者・古館春一先生は、自身も中学・高校時代にバレーボール部を経験しており、作品タイトルはバレーボールを意味する「排球(はいきゅう)」からつけたとのこと。宮城県が舞台の本作には実際の地名や建物が登場し、春高バレーやインターハイなど実在する大会の描写も。分かりやすくルールやポジション説明が織り交ぜられているので、初心者でも見やすくまとまっています。
小さい頃テレビで見た春高バレーの選手・「小さな巨人」に憧れ、バレー部のない中学校でも地道に練習を重ねてきた日向翔陽(ひなた・しょうよう/CV:村瀬歩)。3年生になり、メンバーを集めてやっと最後の公式戦に出られたものの、1回戦で負けてしまいます。対戦相手であり、「コート上の王様」の異名を持つ影山飛雄(かげやま・とびお/CV:石川界人)に厳しい言葉を投げかけられて大会は終わりますが、その後入った高校のバレー部には、影山もいて――?
天性の運動神経を持ちながらも、中学時代は環境に恵まれなかった日向と、才能も努力も揃っていながら周りに合わせられず、真価を発揮できずにいた影山。最初は反発しあうふたりですが、バレーのコンビとしての相性は抜群に良く、次第にお互いを認め合っていきます。毎話熱い展開がありながらも爽やかなので、スポーツアニメ特有の泥臭さが苦手な方にもおすすめです。4期第2クールの放送も2020年10月から予定されているので、今から少しずつ見てオンエアまでに追いついておくのもおすすめです。この作品は、「dアニメストア」「Netflix」「Amazonプライム・ビデオ」などで見ることができます。
●『ハヤテのごとく!』(2007年4月~放送)

『ハヤテのごとく!』は、畑健二郎先生の同名マンガを原作とする、ブラックコメディ風味のギャグアニメです。現在4期まで制作されており、4期の合計話数は101話。OVAや劇場版も作られています。作中にはパロディが多く、現代日本の東京23区西部を舞台にしているなど、元ネタ探しを楽しめるのも魅力の作品です。
公立高校1年生の綾崎ハヤテ(CV:白石涼子)は、浪費癖のある両親との生活を支えるため、バイト漬けの日々を送っています。しかしハヤテの努力もむなしく、両親は約1億5,000万円の借金を残し、行方不明に。借金を返すため、大富豪のお嬢様・三千院ナギ(CV:釘宮理恵)を誘拐したハヤテですが、ナギにはそれが「自分への告白」として映り、ハヤテの借金を肩代わりしてくれることに。その代わり三千院家で執事として住み込みをすることになったハヤテは、ロボと戦いトラに襲われるなど、命がけのドタバタ執事生活を送ることになったのでした。
1話から「サンタを殴る」「借金のカタに臓器を売る」などブラックユーモアが炸裂する本作。しかしあくまでコミカルに話が進むため、楽しく不快感なく見進めることができます。明らかに「これはパロディだ」と分かるネタもあり、思わずニヤリとさせられるのも魅力です。ナギが冒頭から「急げ! もうオープニングが始まるぞ!」と言うなど、メタ的要素も。振り切ったギャグアニメでありつつも、学園ものやラブコメの要素が入っているので、いろいろな楽しみ方ができます。肩の力を抜いて笑いたい時におすすめの作品です。2020年8月現在は「ABEMAビデオ」で1期全話無料配信中。そのほか「バンダイチャンネル」「DMM.com」などで見ることができます。
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長引く自粛にうんざりしている時だからこそ、「むしろ外に出たくない!」と思えるようなアニメを見つけたいですよね。長編ならなおさら長く楽しめるので、気になる作品が見つかった方はぜひこの夏、全話視聴に挑戦してみてください。
※配信状況は記事掲載時点のものです。
(新美友那)