『ポケモン剣盾』のアニメ『薄明の翼』が完結 大人も泣いてしまう理由を探る
「薄明」とは日没後および日の出前の「うす明るい」空を指す言葉
『薄明の翼』は(原則として)各話キーとなる登場人物が抱える苦悩や葛藤をポケモンたちと一緒に成長していくなかで解決していくオムニバス形式のアニメです。
苦悩や葛藤の内容は各話でスポットライトが当たる人物が置かれた立場や状況によっても異なりますが、強調したいのは登場人物が感じているそれぞれの困難は、ポケモンのいない我々の世界であっても共感しうる”憂い”でもあるということです。
困難に対し自分なりに回答を見つける登場人物たちの成長や、時としてキャラクターの葛藤に今の自分を照らし合わせられることも、『薄明の翼』が共感や感動を呼んだ理由のひとつと考えられます。
「大辞林 第三版」(三省堂)によれば「薄明」とは日没後および日の出前に天空がうす明るくなる現象のことを指します。キービジュアルをはじめ『薄明の翼』には薄明るく、色合い優しくも、決して快晴ではない空を背景に描かれるシーンが多く見られます。薄明の空とは、いつか太陽のまぶしい快晴になることを期待する思いの暗喩だったのかもしれません。
あくまでこれは一視聴者の感想にすぎません。 『薄明の翼』は1話1話が短く、何回も見返すことのできるYouTubeとの相性が良い作品です。全話が公開された今こそ一気見するのをおすすめします。背景に映り込むさり気ないギミックや、初見では気が付かなかった伏線をセリフのなかに発見できるでしょう。
(マグミクス編集部)