『ドラクエ7R』の「リストラ3島」どんなお話だった? 濃厚シナリオをネタバレ振り返り!
『ドラゴンクエストVII Reimagined』は、3つの島のシナリオがオリジナル版から削除されることがアナウンスされていました。リストラされた「クレージュ」「リートルード」「プロビナ」の物語をネタバレ全開で見ていきます。
中二病の村・タイムループの先駆・絶望のドン底!

『ドラゴンクエストVII Reimagined』は、単なるリメイクではなく再構築版であり、システムも大きく作り直されています。先行体験版もすでに配信され、極端に長かった序盤が大幅にスピードアップし、「ドールルック」のキャラクターたちも温かみがあると好評を博しています。
その“再構築”の象徴として予告されているのが、3つのシナリオの削除です。対象は「クレージュ」「リートルード」「プロビナ」と名指しされており、「東京ゲームショウ2025」のステージイベントでは「全体のテンポアップや、より濃密なストーリー体験を目指す中で、本筋と関わりが薄い部分」という理由まで明確に語られています。
一部シナリオのカットが可能なのは、『ドラクエ7』がメインシナリオに加え、島ごとに独立した短編エピソードを積み重ねる構造を持つ作品だからでしょう。オリジナル版の進行が冗長になりがちだったのも、この島イベントの多さが一因です。石板(島と一対一対応)が18から11へ減ることも判明していますが、単純に3つ削っただけでは数が合いません。これは「15あった島を再整理・統合し、11にまとめて密度を高めた結果」だと考えられます。
それでもなお、切られた3つのシナリオがどのような内容だったのかは気になるところでしょう。本編では削除されるため、ここから先はネタバレありで整理します。
まず「クレージュ」は、村人全員が「我こそ魔王」的なセリフを口にする愉快な村です。実際には魔王の手先である怪しい男が井戸に毒を撒いて呪いをかけ、守り神である「神木」を切り倒させようとする陰謀でした。主人公たちは「神木の少女」の助けを借り、万病に効く「神木の朝つゆ」で井戸を浄化し、毒を撒いていた魔物を撃破することで村を正気に戻します。
次の「リートルード」は、建築家「バロック」が設計した時計塔の街です。ここでは「バロックの橋」開通式の前日が何度も繰り返される無限ループが発生しています。住民が異変に気づかないなか、主人公たちはバロックから託されたカギで時計塔を止め、隠された「時の狭間の洞窟」へ突入します。事件の元凶であるボス魔物「タイムマスター」を倒すことで、止まっていた町の時間が再び動き出し、ようやく開通式の日を迎えるのでした。
最後の「プロビナ」は、「黄金の女神像」に守られた村の物語です。隣国ラグラーズ軍の侵攻を恐れた村長の息子「ラズエル」は、「女神像があるから狙われる」と考え、自ら像を破壊してしまいました。しかしラグラーズ軍の正体は魔物であり、加護を失った村人たちは全員が魂を抜き取られるという凄惨な事態に陥ります。主人公たちは砕かれた女神像の欠片を集め、ボス「りゅうき兵」を倒すことで、奪われた魂を取り戻すのでした。
いずれもオリジナリティが非常に高く、1本ずつ独立したゲームにできそうな個性派ぞろいです。クレージュは、今では中二病的と面白がられており、リートルードの時間ループ要素は後年のループ作品を先取りしています(『ゼルダの伝説 ムジュラの仮面』より先)。そしてプロビナは最終的に救われるとはいえ、一度は絶望のドン底へ突き落とす展開が堀井雄二シナリオの真骨頂といえるでしょう。
その一方で、これらはいずれも本編進行にはほとんど関与しません。転職解禁の「ダーマ神殿」や、「ガボ」加入といった中核要素とも無縁です。その割に印象があまりに強く、本筋がかすんでしまいかねないほどです。再構築版でテンポと物語密度を優先する以上、リストラ対象となったのは、ある意味で必然だったのかもしれません。
(多根清史)
