【漫画】40代のヴィジュアル系、「加齢」を心配して青汁を愛用…舞台裏がギャグ!
47歳にしてヴィジュアル系バンドのカリスマボーカル、美獣鴉琉荊(ミシン・カルケ)。退廃的な美しさを追求し、独特の世界観で活動してきましたが、実は「老い」が気になっていて……。華やかな世界の舞台裏を描いたギャグマンガが反響を呼んでいます。
美の演出の裏で「老い」と戦う姿が切実…?

47歳にしてヴィジュアル系バンドのカリスマボーカル、美獣鴉琉荊(ミシン・カルケ)。退廃的な美しさを追求し、自らを「暗黒美」、ファンを「囚人」と表現する、独特の世界観で活動してきました。しかし彼が今ひそかに気になっているのは「老い」。ファンに見せる姿とは真逆の「健康志向」な素顔をひた隠しにしながら、彼は今日も美の世界を全力で演出しているのです……。
マンガ『BLOOD+』の作画を担当した漫画家・桂明日香さん(@asuka_katsura)による創作マンガ『迫りくる加齢と戦う47歳ヴィジュアル系バンドマン』がTwitterで公開されました。こちらは「コミックDAYS」で連載中のマンガ『47歳、V系』からの抜粋で、アーティストとしての美にこだわりながらも、「青汁」「健康酒」など、老いへの不安を隠しきれない美獣の姿に、読者から「面白い」「大好き」「切実」などの声があがりました。
作者の桂明日香さんに、お話を聞きました。
ーー桂明日香さんの漫画家としてのデビューのきっかけを教えて下さい。
地元の一般企業で普通に働いていたのですが、あまりに働くのに向いていないので、漫画家になろうと20代前半で上京しました。その後1年ほどフリーターをやりながらマンガも描かずフラフラ遊んでいたのですが、東京でできた友達に「何で上京したの?」と聞かれ、「漫画家目指そうかなって」と言ったら「全く描いてないじゃん!! アシスタントでもしなよ」と言われました。それでその友達に「ここでアシスタント募集してるよ!」と紹介されたところに応募して雇っていただきました。
そのアシスタント先の先生から編集さんを紹介してもらい、作品を見ていただき新人賞に応募、無事受賞し、受賞作品がそのまま連載になりました。たまたま私のような作風が少なかった時期のようで、運が良かったなーと思います。
ーー『迫りくる加齢と戦う47歳ヴィジュアル系バンドマン』のお話はどのようにして生まれましたか?
女性誌で何か企画を立てようということになり、女性誌なら美形がいた方がいいだろう→アイドルものがはやってる→アイドルものをやろう、と短絡的に考えたのですが、私自身ステレオタイプな美形が苦手。駄目な美形なら愛せるかな? ということで、「アイドルにアイドルとしてNGなことをさせるギャグマンガ」を思いつきました。
どう描けば駄目な部分でギャップを出せるか考えていくうちに、「老いを気にするアイドル」の話は面白いな、老いや健康と一番遠い立ち位置の美形と言えばV系(ヴィジュアル系)かな、となり、このマンガができました。
ーー作品に対する反応で、特に印象に残った読者の声について、教えて下さい。
「いくらお金があっても健康は買えない、というのは一見正しく感じるが嘘です。身体を壊してもお金がないと通院もできない。金持ちの方が寿命が長い、それは健康を買っているとも言える」というようなことを言ってた方がいて。それはその通りなんですよね。美獣は自分がお金があるからこそ「お金があっても健康は買えない」と言ってしまうんだよな、と。改めて経済格差について考えてしまいました。

ーー今回のマンガも含まれた、「コミックDAYS」で連載中の『47歳、V系』について、電子書籍1巻が発売中です。見どころをご紹介いただけますか?
全ての人間は老いますが、その変化に悩む時もあるかもしれません。自らの老いを笑い飛ばしたくなった時にぜひどうぞ!
ーー今後、Twitterで発表される作品については、どのように活動していきたいとお考えでしょうか?
基本出版社で描かせていただいているので、Twitterで独自のものを発表していくことは少ないかもしれませんが、単行本が出た時や個人的に描きたいものができた時などはTwitterに投稿したいと思っているので、今後もお付き合いいただけるとうれしいです!
●桂明日香さんTwitterに掲載の『迫りくる加齢と戦う47歳ヴィジュアル系バンドマン』
https://twitter.com/asuka_katsura/status/1293379599334662150
(マグミクス編集部)