人気ドラマ『私の家政夫ナギサさん』が視聴者の心に「原作より一歩」踏み込んだポイントは?
2020年7月7日(火)よりスタートしたTVドラマ『私の家政夫ナギサさん』は、仕事に一直線の独身女性とおじさん家政夫が巻き起こすハートフルラブコメディです。原作は、四ツ原フリコさん作の『家政夫のナギサさん』。ドラマ第5話までの見どころを、原作と比較しながら紹介します。
おじさん家政夫のもたらす「癒し」と、重要なライバルキャラ
四ツ原フリコさん作のマンガ『家政夫のナギサさん』がTVドラマ化され、2020年7月7日(火)よりTBSにて『私の家政夫ナギサさん』として放送されています。働き盛りの独身女性が、“おじさん”家政夫を雇うことから巻き起こるハートフルラブコメディです。
物語の主人公・相原メイ(多部未華子)は、製薬会社のMRとして働く独身女性。仕事をバリバリこなし、上司からも期待されているキャリアウーマンですが、その生活力は皆無。散らかり放題の彼女の部屋にやってくるのが、おじさん家政夫・鴫野ナギサ(大森南朋)です。
はじめは「家におじさんがいるなんてイヤ!」と拒むメイですが、ナギサさんのスーパー家政夫ぶりに、いつしか安らぎを感じていきます。綺麗に整頓された部屋で、健康バランス完璧の食事を食べるメイを見ていると、整った生活がいかに素晴らしいものなのかを実感します。仕事に疲れた人々がこのドラマを見たら、間違いなく「うちにもナギサさんに来てほしい」と思うことでしょう。
仕事ぶりだけでなく、その包容力もナギサさんの魅力。原作ではもっとクールに描かれているナギサさんですが、ドラマ版ではニコニコと人当りがよく、とにかく癒されるキャラクターに変更されています。SNSでは”おじキュン”の声が続出するほどの人気ぶりです。
また、メイの職場での人間関係がより細かく描かれているのも、原作との大きな違いです。原作には登場しないメインキャラクターが、ライバル会社のエリートMR・田所優太(瀬戸康史)です。田所は仕事ができるだけでなく、容姿端麗で人当りもよく、非の打ちどころがない人物。メイが田所をライバルとして見る一方で、田所はメイに惹かれアプローチをかけていきます。
このドラマは、不器用ながら恋も婚活も頑張るメイの姿、職場でバリバリと働く爽快感、職場で包み込んでくれるナギサさんの癒し……と、楽しむポイントが満載です。また、話が進むにつれて、メイを取り巻くそれぞれの人間関係が、徐々に交わっていく点も注目です。
原作ではメイとナギサさんが徐々に惹かれ合う様子がメインですが、ドラマ版ではまずメイと田所の恋愛模様が軸となっていきます。第5話までの段階では、ナギサさんと恋愛に発展する雰囲気にはなっていませんが、メイのナギサさんに対する関心も高まっていって……? この先3人の関係がどうなっていくのか、見守っていきたいところです。
(古永家啓輔)