『サザエさん』フネ役、声優・麻生美代子さんの命日 日本のお母さんとして愛される
80歳までスキューバダイビングを続けていた

麻生さんの活躍は、上に挙げたものばかりではありません。筆者にとって、極めて印象深かったのが、高橋留美子先生原作のTVアニメ『らんま1/2』でシャンプーの曾祖母であるコロンを演じていたことです。同作では乱馬たちの師匠である八宝斎を永井一郎氏が担当していたこともあり、「波平とフネが別作品で共演してる!」と、当時驚いたことを覚えています。
洋画においても『赤毛のアン』に登場したアンの養母、マリラ・カスバートを演じたコリーン・デューハーストの吹き替えを長く務めるなど、膨大な数の役を演じておられました。
そして女優としても長く活躍されており、故・鈴置洋孝氏がプロデュースする舞台では常連として出演しており、2007年の講演では80代でありながらソープランドの風俗嬢として出演し、熟年の演技を見せてくれました。
そんな麻生さんは多趣味で知られており、油絵、シャンソンなどをたしなむ一方、47歳で始めたスキューバダイビングを80歳まで続けるなど、旺盛な好奇心と活力は目を見張るものがあります。麻生さんは、年を取るならばこういう年の取り方をしたい。そう思わせてくれる、人生のお手本のような存在なのではないでしょうか。
優しくて、しっかりもので周囲に頼られ、それでいてアグレッシブ。麻生さんは、誰もが憧れるような人物として、生涯をまっとうしました。その最期は、関係者に付き添われるなか「まるで笑っているかのようだった」と語られるほどの安らかなものだったそうです。
長く、日本の母を務め上げて下さりありがとうございました。
ゆっくり、お休みください。
(早川清一朗)


