シャーリーズ・セロン主演『オールド・ガード』、不死に向き合う人間臭さが胸を打つ
Netflixで配信されているアメコミ原作映画『オールド・ガード』は、不死のヒーローたちの戦いと葛藤を描く作品。爽快アクションの一方で、原作から大切にされてきたメッセージ性を表現した快作です。
“不老不死”とは何かを考えさせる、アメコミ原作映画
アメコミ原作のアクション映画『オールド・ガード』が2020年7月10日からNetflixで全世界配信されています。原作はコミックライターのグレッグ・ルッカによるグラフィックノベル『The Old Guard』です(彼は過去に『スーパーマン』『ワンダーウーマン』『ウルヴァリン』なども手掛けています)。
同作は世界83か国で最も見られているNetflix映画として話題になり、日本でも配信開始以来「今日の総合 TOP10」に上がるなど、注目が集まっています。
この映画の目立つポイントは何といっても、映画『マッドマックス 怒りのデス・ロード』『アトミック・ブロンド』などでアクション演技に磨きをかけている女優シャーリーズ・セロン。今作では不死の能力を持つ現代に生きる古代戦士“オールド・ガード”という設定で、斧や現代の銃などの武器で華麗に立ち回る姿は圧巻です。
今作ではセロンを含めた“オールド・ガード”キャストたちは柔道や合気道、シラット、カリ、中国武術、洪家拳、太極拳、テコンドー、居合道、剣道など世界各国の武術を取り入れたトレーニングを行ったといいます。
敵をバッタバッタとなぎ倒すスピード感あふれるアクションは近年でヒットしている、キアヌ・リーブス主演の「ジョン・ウィック」シリーズを彷彿とさせ、ワクワク感を与えてくれます。
スーパーヒーロー映画というジャンルではありますが、出てくる特殊能力は傷が再生する「不死力」のみ。“死なない”という能力はシンプルで強いものと思われますが、作品では「不死になった人物たち」の葛藤などを濃く描いています。
数百年、千年単位で続く孤独や、普通の人間とは一緒にいられず同じ不死の仲間と行動をともにするしかないという生き方が、作品にリアリティをもたらしています。撃たれても死んでも、痛みを感じながら闘い続けることができるというスタイルでのアクションは泥臭さも感じ、暗めの世界感と爽快なアクションが上手くマッチしています。