子供「なんでウルトラマンセブンじゃないの?」←どう説明すべきか? 実に「無理難題」なワケ
どうして『ウルトラセブン』は『ウルトラマンセブン』じゃないのでしょうか? 子供に素朴な疑問をぶつけられたら、あなたは何と答えますか? 話し方も含めてシミュレーションしたところ、実に「難しすぎる」ことがわかりました。
いいかい? 『ウルトラマンA』が分岐点だったんだ

「ウルトラセブン」を「ウルトラマンセブン」と呼ぶことは、特撮ファンを自認する方であれば「言語道断」でしょう。一方、特撮ファン以外の人からすれば、むしろ『ウルトラセブン」に違和感を覚えてしまうのは、仕方ないことといえます。なにせ、ウルトラセブンだけが、他のウルトラ戦士と異なり「マン」がつかないのですから。
さらに厄介なのは、こうした素朴な疑問を抱くのはたいてい子供です。子供たちに「どうしてウルトラ“マン”セブンじゃないの?」と聞かれたとき、私たち大人は子供でもわかるように理由を教えてあげることができるでしょうか。
来るべきその日のために、子供に対する話し方を想定して、伝え方を考えてみたいと思います。
* * *
「どうしてウルトラ“マン”セブンじゃないのか……その理由を説明するためには、まず『ウルトラ』シリーズの成り立ちから話さないといけないね。実は『ウルトラマン』と『ウルトラセブン』の前には、『ウルトラQ』という別の番組があったんだ。
これに加えて『宇宙特撮シリーズ キャプテンウルトラ』という番組もあってね、これら全て『ウルトラ』シリーズと呼んでいたんだ。タイトルに『ウルトラ』が入っているだろう? そう、当初は『ウルトラマン〇〇』がタイトルの定型ではなくて『ウルトラ〇〇』というのが定型だったといえるんだ」
* * *
まあ、『キャプテンウルトラ』は少し違うのですが。ここまでは、ゆっくり話せばわかってもらえそうに思います。
もう少し、話を続けてみます。
* * *
「知っての通り『ウルトラマン』と『ウルトラセブン』は大好評のうちに終了。少し間が空いて、『帰ってきたウルトラマン』も放送された。ここからが重要なんだけど、ウルトラセブンを「マン」なしの孤高の戦士にしてしまった『犯人』とも言うべき作品は、『ウルトラマンA』なんだ。
一見、関係なさそうに思えるよね? でも聞いてほしい。もし『ウルトラマンA』が『ウルトラA』だったらどうなる? そう。『ウルトラ』シリーズが続行する形となったよね。じゃあ、どうして『ウルトラマンA』は『ウルトラA』というタイトルにならなかったんだろう?
* * *
このあたりで、子供の頭に負荷がかかってきそうに感じられます。「もう少しで終わるからね」と、ひと言伝えたほうがよいかもしれません。
* * *
「実際、円谷プロは『ウルトラA』というタイトルで制作を進めていたんだ。児童雑誌にも堂々とそのタイトルで予告が掲載されていたし、主題歌の録音も、本編の撮影も始まっていたんだよ。ところが、ここでいわゆる“大人の事情”にぶつかることになる。
実はすでに、おもちゃ屋さんで『ウルトラエース』という全く別のヒーローのソフトビニール人形が発売されていたんだ。このままじゃ、商標権をめぐるトラブルに発展しかねない。だから急きょ、『ウルトラA』を、『ウルトラマンA』という名称に変更したってわけ。
もしこのソフビ人形が発売されていなければ、『ウルトラ』シリーズは、『ウルトラタロウ』『ウルトラレオ』…『ウルトラアーク』『ウルトラオメガ』と続いていただろう。するとどうだろう。『ウルトラセブン』という名前をおかしいと思うことすらなかった、と言えないかな?」
* * *
……どうでしょうか。少なくとも筆者の脳内シミュレーションでは、子供は話の途中で走り去っています。無理難題です。真正面から説明して伝えるのは厳しいでしょう。
ここはひとつ、「ウルトラ警備隊の7人目と言うことで、そう命名された」のような説明で一旦、納得してもらってもよいのではないかと思えてきました。もっと言えば、子供が自然に気づくまで、いちいち訂正しなくても良いかもしれません。何せ、大人の事情なのですから。
(片野)

