名作の「大渋滞」と「放送枠拡大」…日本アニメ躍進の先にある「落とし穴」とは?
近年、日本テレビ・フジテレビ・テレビ朝日などのキー局がアニメ作品の放送枠を増やし続けています。Netflixでも『超かぐや姫!』が大ヒットし、劇場アニメでは『鬼滅の刃 無限城編 第一章 猗窩座再来』が世界興収1000億を達成するなど、アニメの勢いは凄まじいものに思えます。しかしその影で、複数の問題が徐々に浮かび上がりつつあるのです。
アニメ放送枠の増加は好結果を生むのか

近年、日本テレビ・フジテレビ・テレビ朝日などのキー局がアニメ作品の放送枠を増やし続けています。NetFlixでも『超かぐや姫!』が大ヒットし、劇場アニメでは『鬼滅の刃 無限城編 第一章 猗窩座再来』(以下、『鬼滅の刃』)が世界興収1000億を達成するなど、一見すると日本のアニメはかつてない勢いに乗っているように見えます。しかしその影で、複数の問題が徐々に浮かび上がりつつあるのです。
最近のアニメ関連ニュースを見ていると、製作出資にキャラクターグッズの商品化、海外配信やライブイベントなど、ひとつのIPを世界中に展開して、より多くの利益をあげようとする動きが以前よりも増えています。
アニメスタジオについても、提携や合併吸収のニュースがしばしば飛び込んできており、記事としてまとめようと動いても、すぐに次の動きが始まるため、取材を重ねて内容を練り込む暇すらありません。
実際、アニメ産業の市場規模は、2024年には前年比14.8%増の約3兆8,000億円(約250億ドル)に成長しており、2025年には劇場版『鬼滅の刃』の上積みや劇場版『チェンソーマン』の収益が見込まれているため、さらに上昇する可能性があるでしょう。
しかし、そう簡単に話が進むとは思えません。まず、国内TV局の放送枠増加については、「そもそも誰が作るのか?」という問題が解決されないまま時間ばかりが過ぎていきます。
確かに10年ほど前に比べればアニメーターの収入は上がってはいますが、国内のインフレや円安の影響を考えれば、そこまで豊かになったというわけではありません。新人教育に力を入れている会社も多く、才能ある若者が次々と現れてはいますが、かつて死にものぐるいで現場を支えていた方々は報われないままです。
近年でも、新規企画でファン層をつかむことに成功した作品が、「続編」を発表しているにもかかわらず、なかなか放送が決定しないという事例が複数見られます。多くの場合、理由は明言されていませんが、背景として制作現場の「人手不足」がたびたび指摘されています。

