男性の食わず嫌いは勿体ない『ヒプノシスマイク』“女性向けコンテンツ”以上の存在に
これまで女性ファンを中心に人気を集めてきた『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』は今や男性であっても”食わず嫌い”で一蹴するには勿体ないほどの盛り上がりを見せています。有名ラッパーの楽曲提供や女性ラッパーの参戦。同プロジェクトはこれからのラップシーンに影響を与える存在になるかもしれません。
Zeebraにスチャダラ、女性シンガーソングライターReolも参戦

2017年にプロジェクトが始動してより、破竹の勢いで人気を増やしている『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』(以下、ヒプマイ)。2020年10月2日(金)から始まるアニメ『ヒプマイ』Rhyme Animaに向けて、同プロジェクトは新たなファンを獲得する試みをさまざまな角度から展開しています。
「音楽原作キャラクターラッププロジェクト」として始まった『ヒプマイ』は、キャラクターの見た目やプロジェクトの設定から、女性を中心にファンを獲得してきました。
「イケブクロ」や「シブヤ」など、土地の名前がついたディビジョン(区画)それぞれに男性3人のラッパーが割り当てられる構図はアイドルグループを彷彿とさせますし、特定のキャラクターを”推し”として応援できることにも人気が集まっています。
一方、パッと見の雰囲気や女性ファンの熱に気圧されてしまうことで、男性からすれば近寄りがたい雰囲気を持っていたことも事実。しかし、今や男性であっても食わず嫌いをするにはもったいなさすぎるほどに盛り上がりを見せており、ファンがこれからどんどん増えていくことも予想されます。
たとえば女性ラッパー3人による「中王区 言の葉党」が新しく参戦したことが分かりやすい例でしょう。これまでにも「ナゴヤ」、「オオサカ」と新勢力が加わることはありましたがいずれも男性のキャラクターでした。『ヒプマイ』に女性キャラクターがラッパーとして登場したことは、ファンの幅を広げることに貢献するかもしれません。
また、『ヒプマイ』は”名だたる”日本語ラッパーがおのおのの持ち味を活かした楽曲を提供してきたことにも注目が集まるプロジェクトです。
たとえばHIPHOP界のレジェンド、日本のラップシーンを長い間牽引してきたZeebraさんは2019年に楽曲提供を行なっています。最近ではマイクをリレー形式に回す楽曲「SUMMIT OF DIVISIONS」を、日本のラップシーンを大きく成長させたスチャダラパーが手掛けたことも話題を呼びました。「とにかくパーティを」のフレーズには、スチャダラパーのファンであれば思わず反応してしまいます。
アニメへの導線として用意されている特設サイト「はじめてのヒプノシスマイク」内では講師にZeebraさんを迎え、「レペゼン」や「パンチライン」など実際のラップ用語を取り扱う授業動画も公開されています。
多くの人が名前を聞いたことがあるラッパーを起用する試みや、『ヒプマイ』初心者のみならずラップの初心者も受け入れる姿勢からは、『ヒプマイ』に日本語ラップそのもののファンを増やす役割も期待されているようにも思えるのです。
(ふみくん)