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「PS5」予想以上の安さだった理由を考察 ハードで黒字はほぼ不可能か

2020年9月17日(木)、次世代ゲーム機「PlayStation 5」が11月12日(木)に発売されることが明らかになりました。さらに、UHD Blu-ray Discドライブ搭載型とドライブなしバージョンの価格も発表。その予想外の安さに驚かされました。

予想よりも遥かに安かった「PS5」

「PlayStation 5」(ソニー・インタラクティブエンタテインメント)
「PlayStation 5」(ソニー・インタラクティブエンタテインメント)

 2020年9月17日(木)午前5時、ソニー・インタラクティブエンタテインメントは動画「PlayStation Showcase」を配信し、次世代ゲーム機「PlayStation 5」(以下、PS5)を2020年11月12日(木)に日本、米国、カナダ、メキシコ、オーストラリア、ニュージーランド、韓国の7か国で先行発売することを発表しました。事前予想ではかなりの高額と予想されていましたが、UHD Blu-ray Discドライブ搭載型が4万9980円、ドライブ無しの「PS5 デジタルエディション」は3万9980円と、過去の機種の初期価格と、大差ない価格を実現しています。発表と同時に「買い」を決めたライターの早川清一朗さんが、この安さの理由を考察します。

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「PS5」のドライブ搭載型は約4万9980円。ドライブ無しで約3万9980円。突然発表されたこの数字には、正直驚かされました。とはいえ過去の各プレイステーションの初期価格は、「PS1」が希望小売価格3万9800円。「PS2」も3万9800円。「PS3」はHDD60Gモデルが5万9980円で20Gモデルが4万9980円。「PS4」が3万9980円と、比較してもそれほど変化はありません。

 では、なぜ安いと感じたのか。その理由は「PS5」が持つ高スペックにあります。CPUはAMDの「x86-64-AMD Ryzen“Zen 2”」、GPUは「AMD Radeon RDNA 2-based graphics engine」、システムメモリは「GDDR6 16GB」と、仮にゲーミングPCで同スペックのものを手に入れるとしたら、20万円程度は見なければいけません。まさに破格の値段と言えるでしょう。

 おそらく、初期段階において「PS5」は製造価格が販売価格を上回る、赤字の状態で販売されている可能性が極めて高いと考えられます。

 その根拠としては、「x86-64-AMD Ryzen“Zen 2”」とほぼ同等品のCPU「Ryzen7 3700X 3.6Hz」の2020年9月時点の小売り価格が約4万円という点が挙げられます。CPUだけですでにドライブなしモデルとほぼ同じ値段なのです。もちろん仕入れ価格はもっと安いのは確実な上、量産効果によるコスト低下も考慮するべき必要はあるでしょうが、それでもパーツすべての価格と組み上げ費用、流通費を考えれば、黒字を出すのはほぼ不可能と言えるでしょう。

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