マグミクス | manga * anime * game

『ウルトラセブン』で活躍の「カプセル怪獣」…その魅力はポケモンにも影響?

ひょうきんな顔立ちのミクラス

「ウルトラ怪獣シリーズ 55 ミクラス」(バンダイ)
「ウルトラ怪獣シリーズ 55 ミクラス」(バンダイ)

 2匹目の「カプセル怪獣」として登場したのがミクラスです。赤、白、緑と派手にカラーリングされた、大きなツノが特徴です。クリクリとした丸い目をしたひょうきんな顔立ちで、脚本家・金城哲夫氏の故郷である沖縄の魔除け・シーサーを彷彿させます。

 パッと見はあまり強そうに感じさせないミクラスですが、意外な実力者です。第3話「湖のひみつ」で初登場し、人気怪獣エレキングを自慢の怪力でジャイアントスイングするなどの活躍を見せます。のちの『ウルトラファイト』を思わせる戦いぶりでした。第25話「零下140度の対決」では、寒さに弱いセブンがエネルギーを補給するまでの間、凍結怪獣ガンダーを相手に粘り強く戦います。野球で例えるなら、信頼できるセットアッパー的存在でした。

老練な雰囲気を漂わせたアギラ

「ウルトラ怪獣シリーズ46 アギラ」(バンダイ)
「ウルトラ怪獣シリーズ46 アギラ」(バンダイ)

 3匹目の「カプセル怪獣」はアギラ。恐竜のトリケラトプスっぽい風貌です。初登場となった第32話「散歩する惑星」では、ひと回り大きな怪獣リッガーを相手に善戦しました。第46話「ダン対セブンの決闘」では、ニセ・ウルトラセブンと戦うことになります。

 常に前傾姿勢で戦うアギラは、老練な柔術使いのようでした。でも、愛嬌を感じさせるウインダムやミクラスに比べると、いつも眠たげな表情のアギラはちょっと地味な印象です。話す機会がないまま、卒業してしまった物静かな転校生のような雰囲気でした。

 日本昔話の「三枚のお札」を思わせる「カプセル怪獣」たちは、一度も敵怪獣に勝ったことがありません。あくまでも時間稼ぎ要員でした。決して物語の主役にはならないものの、いつもセブンのために健気に戦う気のいい奴らでした。

 おっちょこちょいだけど憎めないウインダム、猪突猛進型のミクラス、寡黙なアギラ、それぞれ人間くささを感じさせます。『オズの魔法使い』に例えるなら、セブン=ドロシー、ウインダム=ブリキマン、ミクラス=ライオン、アギラ=かかし、を連想させるファミリー感があります。セブンも彼らと一緒だったから、孤独に悩まずに済んだのかもしれません。

 カプセルのなかに入った小さな怪獣が大きくなり、敵怪獣と戦う。「カプセル怪獣」のユニークな設定は、人気アニメ『ポケットモンスター』(テレビ東京系)に影響を与えたと言われています。ウインダム、ミクラス、アギラは、世界中で愛されているピカチュウたちポケットモンスターの先輩でもあるようです。

 3匹の「カプセル怪獣」が『ウルトラセブン』には登場しましたが、『ウルトラマンレオ』(TBS系)にも怪獣ボールのなかから現われるセブンガーというロボット怪獣が登場しました。セブンガーも「カプセル怪獣」に近い存在だと言えるでしょう。

 実は『ウルトラセブン』のダンは、合計5つのカプセルを持っていました。あと2匹、姿を見せていない「カプセル怪獣」がいることになります。そのうちの1匹は、第10話「怪しい隣人」でイカルス星人によって異次元空間に幽閉されたダンが放ったものの、実体化せずに行方不明になったままです。

 これまでに見たことのない、でも気のよさそうな怪獣がひょっこりと現われたら、それはもしかしたら異次元空間で長い間迷子になっていた4匹目の「カプセル怪獣」なのかもしれません。決して強くはないけど、いてくれるとホッとする存在。それが「カプセル怪獣」の魅力です。

(長野辰次)

1 2 3