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『テネット』が日本でも大ヒット。いま見返したい「タイムリープの傑作」5選

少年期の日記を読む――『バタフライ・エフェクト』

『バタフライ・エフェクト』DVD(ジェネオン エンタテインメント)
『バタフライ・エフェクト』DVD(ジェネオン エンタテインメント)

 過去を変えることで未来が思いもよらぬものに変わってしまうことを描いたのは、『バタフライ・エフェクト』(2004年)。大学生のエヴァン(アーシュトン・カッチャー)は少年時代の日記を読むことで、その当時に戻ることができる特殊体質です。少年時代のある出来事がトラウマとなっているエヴァンは、その時代に戻ってトラウマの原因を回避しようとしますが、その度にエヴァンとは別の人が不幸になってしまいます。

 ブラジルの蝶々が羽ばたいただけで、テキサスでは竜巻が起きるかもしれない。そんな「バタフライ効果」をモチーフにした作品です。初恋の女の子・ケイリー(エイミー・スマート)を守るために、エヴァンはつらい決断を下すことになります。大林宣彦監督の『時をかける少女』(1983年)もそうですが、タイムリープと悲恋ものはとても相性がいいようです。

新しい言語を学ぶ――『メッセージ』

 ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の『メッセージ』(2016年)も、「時間」を扱ったSF作品です。巨大な宇宙船が地球に飛来し、言語学者のルイーズ(エイミー・アダムス)が交渉役に選ばれます。宇宙人の言語体系は地球人とはまったく違うため、ルイーズは大苦戦。防護服を脱ぎ、身振り手振りを交えて、少しずつ宇宙人の言語を学んでいきます。

 文明の進んだ宇宙人は言語だけでなく、時間の概念も地球人とは異なりました。時間は過去から未来へと進むのではなく、過去も未来も同一的なものとして宇宙人は認識していたのです。彼らの言語を理解することで、ルイーズ自身も時空を自在に行き来することができるようになります。新しい言語を学ぶということは、その国の文化はもちろん、死生観も理解することにつながるという、深遠なメッセージが込められた作品でした。

気がついたら川中島へ――『戦国自衛隊』

 最後に紹介するのは、ド派手な和製タイムリープものです。『戦国自衛隊』(1979年)は演習中の自衛隊の小隊が「時震」によって、戦国武将たちが群雄割拠した時代にタイムスリップしてしまうというトンデモストーリーです。

 伊庭三尉(千葉真一)率いる部隊が迷い込んだのは、16世紀の日本でした。伊庭たちは、のちの上杉謙信となる長尾景虎(夏八木勲)と手を組み、天下統一を目指すことになります。その時代の異物である伊庭たちを、歴史は目には見えない修復力で消し去ろうとしますが、戦うことに生きがいを見いだした伊庭は歴史に抗います。アクション俳優として売り出し中だった真田広之さん、新人時代の薬師丸ひろ子さんらも出演しており、理屈抜きで楽しめる娯楽作品となっています。

 数々の伏線が張られたタイムリープものは、しっかりと脚本が練られた作品が多いことが特徴です。だからこそ何度も繰り返し観たくなる……タイムリープをモチーフにした映画には、そんな魅力が込められています。

(長野辰次)

●映画『TENET テネット』スペシャル予告(ワーナー・ブラザース公式)

【画像】斬新な発想と練られた脚本。見返したいタイムリープ映画(6枚)

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