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『あつ森』が日本ゲーム大賞受賞! コロナ禍でも“飽きられる”可能性があった?

「東京ゲームショウ2020」で発表される「日本ゲーム大賞 年間作品部門」においてNintendo Switch用ソフト『あつまれ どうぶつの森』が大賞を獲得しました。巣ごもり需要とセットで語られることの多い同作ですが、今回の受賞には、他方向からプレイヤーを”飽きさせない”工夫を用意し続けた功績も無視できません。

ゲームの性格だけみれば、すぐに飽きられる可能性だってあった

発売された3月から、話題を独占し続けた『あつ森』 (C)2020 Nintendo
発売された3月から、話題を独占し続けた『あつ森』 (C)2020 Nintendo

 2020年9月23日(水)~9月27日(日)の4日にわたりオンラインで催された「東京ゲームショウ2020」。「日本ゲーム大賞 年間作品部門」では「経済産業大臣賞」、「優秀賞」を受賞したNintendo Switch用ソフト『あつまれ どうぶつの森』(以下、あつ森)が見事「大賞」を受賞しました。

「日本ゲーム大賞 年間作品部門」にエントリーされる作品は2019年4月1日~2020年3月31日にリリースされた作品を対象とするため、2020年の受賞タイトルは新型コロナウィルス感染症の流行を発端とする”巣ごもり需要”が評価に影響した作品も目立ちます。

 たとえば運動不足解消に役立つNintendo Switch用ソフト『リングフィット アドベンチャー』や、普段ゲームをしない人でも楽しむことのできる『あつ森』はその筆頭でしょう。

 SNSとの相性も良かった『あつ森』は国内外で積極的に企業PRに用いられるなど、話題の方向性にも富んでいました。

 世界中でブームとなった『あつ森』が今回、大賞を受賞したことに疑問を持つ方のが少ないでしょう。今回の評価には『あつ森』が「どうぶつの森」シリーズ通しての課題を克服できたことと、ファンの心を長期にわたり”つかみ続けた”功績も見逃すせません。

 コロナ禍が『あつ森』の売り上げに追い風になったことは紛れもない事実ですが、ゲームの性格から見ると「どうぶつの森」シリーズはゲームを集中してプレイできる環境ではすぐに飽きられてしまう可能性もはらんでいます。

「どうぶつの森」シリーズは、プレイヤーのライフスタイルに合わせて遊べる作品。どこまでもやり込むことができる一方で、1日ごとの変化には限界があり1回のプレイに時間を割かないプレイヤーも受け入れてくれます。このことは言い換えれば、“ガッツリ”集中してプレイしてしまうことで”飽き”の到来を早めてしまうリスクも持っていたことも意味するのです。

『あつ森』では、ゲーム内のマイル「たぬきマイル」を貯めるミッションは手軽に延々と楽しむことができますし、島を理想通りに造りこむのであれば時間はいくらあっても足りません。

「アップデート」が短期間で何度も行われるのもそうですが、『あつ森』はさまざまな手段で“飽きさせない工夫”をプレイヤーに提供し続けて、毎日ゲームを起動させたことを成功させたようにも思えるのです。

 9月30日(水)には「ハロウィン」イベントの実装が予告され、冬には「ハーベスト」イベントや「クリスマス」イベントの実装までも公式動画より示唆されています。

 北半球の時間においてはまだ春と夏の装いしか見せていない『あつ森』。秋の深まりから冬にかけて、まだまだ『あつ森』の独走は続くのかもしれません。

(ふみくん)

【画像】発売からの『あつ森』をイベントで振り返る(10枚)

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