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『蒼き流星SPTレイズナー』最終回に唖然…高評価にもかかわらず、唐突な打ち切り

1985年10月5日、TVアニメ『蒼き流星SPTレイズナー』の放送が開始されました。自らの意志を持つAIや自律型の無人戦闘マシンが登場するなど先進的な作品でしたが、打ち切りによる唐突な最終回を迎えてしまいます。

予告とつながっていない?「歪む宇宙(ゆがむそら)」

『蒼き流星SPTレイズナー』 (C)サンライズ
『蒼き流星SPTレイズナー』 (C)サンライズ

 1985年10月5日は、TVアニメ『蒼き流星SPTレイズナー』の放送が開始された日です。『太陽の牙ダグラム』『装甲騎兵ボトムズ』などを手掛けてきた高橋良輔監督の作品で、地球人と宇宙人の混血の少年であるエイジが、父親の作り上げた「SPTレイズナー」を駆り仲間たちと共に戦い抜く物語です。自らの意志を持つAIや自律型の無人戦闘マシンが登場するなど先進的な作品でしたが、打ち切りによる唐突な最終回を迎えてしまいます。テレビの前で呆然とした記憶を持つライターの早川清一朗さんが、当時の衝撃を語ります。

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「エイジ~! みんなこんなに待ってるんだぞ~~~! 早く帰ってこ~~い」

 最終話のひとつ前、第37話「エイジ対ル・カイン」の次回予告では、このような叫びが流れていました。今改めて考えると、37話のラストとまったくつながっていない不穏さに満ちあふれています。

 37話では、地球を侵略したグラドス人の地球占領軍司令官であるル・カインと主人公のエイジが激突し、ル・カインの駆るSPTザカールが、V-MAXレッドパワーによりレイズナーを撃墜するという衝撃的な展開が待ち構えていました。最後、ル・カインは地球人とグラドス人の間に秘められた秘密を知るために、エイジにとどめを刺そうと群がってきた部下の前に立ちはだかり、「手出しをすれば、死ぬものと思え!」と凛とした声で叫びます。故・塩沢兼人氏の熱演が冴えわたる作中でも屈指の名場面なのですが、最終話となる38話は、まったく関係のない場面からスタートしたのです。

 そう、打ち切りにより、本来の38話は描かれなかったのです。TV放送された38話では総集編のような最終回が放送される形となり、TVの前の視聴者を唖然とさせました。実際に見ていた人間としては『レイズナー』は非常に面白い作品で、打ち切られたのは心底意外でした。

 なお、打ち切られた理由についてですが、スポンサーの三洋電機がファンヒーターの一酸化炭素中毒事故により撤退を決めたのが大きかったそうです。事故を起こすとCMを放送しづらくなるので仕方ないとはいえ、運が悪すぎました。さらにプラモデルの売り上げが悪かったこともあり、急きょ打ち切りが決まってしまったのです。

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