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『鬼滅の刃』上映目前の一挙放送! 炭治郎たちが生きた、たった15年の“大正“時代

ジャポニズムテイストたっぷりなダークファンタジー『鬼滅の刃』は、原作マンガ&TVアニメシリーズ、どちらも大人気。劇場アニメ『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』の公開を控え、ブームはますます加熱しそうです。人気の秘密と見どころを紹介。そして、主人公・炭治郎たちが生きた「大正」とはどんな時代だったのかを探ってみました。

『鬼滅の刃』が大ブームとなった理由と作品の時代背景を探る

『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』 (C)吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable
『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』 (C)吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable

「全集中! 水の呼吸!!」

 吾峠呼世晴氏の人気マンガを原作にしたTVアニメーション『鬼滅の刃』は、令和のエンタメ界を代表する大ヒット作となっています。劇場アニメ『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』の公開も、2020年10月16日(金)ともうすぐ。「土曜プレミアム」(フジテレビ系)では10月10日(土)と10月17日(土)の2週にわたって、TVアニメシリーズの人気エピソードを放映します。

 ジャポニズムテイストたっぷりなダークファンタジー『鬼滅の刃』は、「週刊少年ジャンプ」(集英社)にて原作マンガが2016年から連載スタートし、2020年5月で完結。単行本は現在22巻まで発売されており、シリーズ累計1億部突破という大ベストセラーとなっています。2019年にTOKYO MXなどで放映されたTVアニメシリーズ(全26話)が人気に火を点けたかっこうです。

 大正時代を舞台にした少年の鬼退治の物語は、若い世代を中心に幅広い層に熱く支持されています。大ブームとなった人気の秘密と作品の時代背景を探ってみましょう。

妹を守るために強くなる兄・炭治郎

 時は大正。山で炭をつくる少年・竈門炭治郎(CV:花江夏樹)が主人公です。炭治郎が村へ出掛けている間に、家族は鬼に殺されてしまいます。唯一生き残った妹の禰豆子(CV:鬼頭明里)も鬼の血を浴びたために、鬼になりつつありました。炭治郎は医者に診せようと、禰豆子を背負って村へと急ぎます。

 普通なら鬼になった禰豆子に炭治郎は食い殺されているところでしたが、炭治郎の「鬼になんかなるな、がんばれ」という叫びに禰豆子は反応します。鬼になりながらも禰豆子は涙を流し、炭治郎を襲うことを自制します。その日以来、炭治郎も禰豆子を人間に戻すために、あらゆる方法を探し歩くことになるのです。

 鬼が人を食い殺すシーンをはじめ、ゾンビ映画ばりの過激なスプラッター描写の多い『鬼滅の刃』ですが、それ以上にお互いのことを思いやる炭治郎と禰豆子との兄妹愛がとても健気に映し出されます。禰豆子を守るために、炭治郎は強くなることを決意します。

 SNSが盛んなIT時代となり、人間関係が表面的なものになりつつある現代社会だからこそ、炭治郎と禰豆子との強い信頼関係が多くのファンの心をわしづかみにしたようです。また、新型コロナウイルス感染症の影響で自宅待機やリモートワークが増え、ソーシャルディスタンスを保つことが一般化しています。濃厚な人づきあいが難しくなっている社会状況も、ヒットを後押ししたのではないでしょうか。

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