『宇宙戦艦ヤマトIII』放送から40年。悪役デスラーの見せ場満載だった…新作映画との関係も?
登場シーンはすべて見せ場! デスラー総統から目が離せない
ヤマトシリーズの見せ場といえば、やはり戦闘シーン。そうなると敵役も重要です。今回、登場する勢力はガルマン・ガミラス帝国とボラー連邦という、銀河を二分する星間国家です。
ちなみに企画時にはゴーマン大統領率いるゼニー合衆国という勢力もあり、当時の東西冷戦を意識していたようです。しかし、ヤマトが日本、ガミラスがナチスドイツと考えると、第二次世界大戦を思わせる配置でもありますよね。
物語当初はボラー側の戦艦を助けたことからガルマン・ガミラスと敵対しますが、このガルマン・ガミラスこそ、古代と友情を結んだデスラー総統が新たに建国した国家でした。
デスラーといえば冷酷な独裁者というイメージですが、これまでの経験から急成長しています。
失敗した部下に対して、「あと2回失敗したら死刑」と、猶予を与えた上に奮起をうながす器量を見せます。
これまでなら即、床落ちの刑です(笑)。
また、最終回でのボラー連邦との決戦では……「あなたのお葬式は何宗で出せばよいのかな?」と、ベムラーゼ首相に余裕の表情を見せます。
さらに、これ以上にキザな台詞だったのが、「見たかタラン? 地球の少年が命をかけて咲かせた美しい花を…あの花を無駄に散らせてはならん」
この後、デスラーはハイパーデスラー砲でボラーを全滅させます。実は最終回ではヤマトはほとんど戦ってはおらず、デスラーが戦艦シーンの見せ場を持っていってしまいます。
もともと制作の西崎義展プロデューサーがデスラーを気に入り、劇場版2作目から見せ場が増えていたのですが、本作では登場シーンすべて見せ場かと思うほどの活躍に目が離せません。
もちろん、他にも見せ場や注目キャラはいっぱいありますが、筆者が一番オススメしたいのは「ガルマンウルフ」ことフラーケンです。ヤマトを拿捕するという金星をあげるほどの実力者で、一部では熱烈なファンがいることで有名です。その人気ゆえなのか、リメイク作品である『宇宙戦艦ヤマト2199』に登場しています。
実は、『宇宙戦艦ヤマトIII』の最初で設定された時代は西暦2205年(ナレーションでは23世紀初頭)。2205といえば、リメイクシリーズの次のタイトル『宇宙戦艦ヤマト2205』(2021年上映予定)と呼応しますね。現時点ではどのような関係になるかわかりませんが、新シリーズの開始前に予習するのも楽しいものかと思います。
(加々美利治)