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『相棒19』を観る前に…! 東映特撮『ロボット刑事』、仲間と家族との絆を感じさせたドラマ

数ある刑事ドラマのなかでも、人気が高いのがバディ(相棒)ものです。日本では東映制作の『相棒』が有名ですが、1970年代にも東映は傑作バディドラマを手掛けていました。のちの『宇宙刑事ギャバン』やハリウッド映画『ロボコップ』にも影響を与えた、石ノ森章太郎原作の特撮ドラマ『ロボット刑事』を振り返ります。

両者の個性が違うほど盛り上がる「バディもの」

『ロボット刑事』DVD VOL.1(東映)
『ロボット刑事』DVD VOL.1(東映)

 水谷豊さんが主演する刑事ドラマ『相棒』(テレビ朝日系)の新シリーズが、2020年10月14日(水)からスタートします。東映制作の「相棒」シリーズは2000年から2時間ドラマとして始まり、20周年を迎えました。

 水谷さん演じる変わり者の刑事・杉下右京の相棒役を、これまで亀山薫(寺脇康文)、神戸尊(及川光博)、甲斐享(成宮寛貴)が務めてきました。現在の相棒は、4代目となる冠城亘(反町隆史)です。新シリーズの初回で、杉下刑事と冠城刑事はバーチャルリアリティーの世界に隠された謎に挑むことになります。

 性格のまるで違うキャラクターが協力しあって難事件を解決する面白さが、バディ(相棒)ものにはあります。両者の個性が際立っているほど、より面白さは増していきます。そんなバディものの先駆的作品となった特撮ドラマを振り返ります。

いぶし銀刑事と「高性能ロボット」という顔合わせ

 米国では1975年から放送がスタートしたTVドラマ『刑事スタスキー&ハッチ』、日本でも1979年から放送が始まった『噂の刑事トミーとマツ』(TBS系)など、凸凹コンビが捜査に挑む刑事ものは大変人気がありました。そんな人気刑事ドラマに先駆ける形で1973年にオンエアされたのが、特撮ドラマ『ロボット刑事』(フジテレビ系)です。制作は『相棒』と同じ東映でした。

 石ノ森章太郎原作の『ロボット刑事』は、かなり異色の刑事ドラマでした。ベテラン刑事の芝大造(高品格)は特別科学捜査室に配属されることに。そして、新しい相棒はなんと人型ロボットのK(CV:仲村秀生)でした。芝を慕う若い刑事・新條(千葉治郎)がふたりの間を取り持とうとしますが、頭の固い芝はKのことを仲間とは認めようとはしません。

 Kは非常に優れた捜査能力を持っているのですが、芝刑事はKのことを「機械人形」「鉄クズ野郎」とディスりまくります。Kは愛車ジョーカーで芝刑事を自宅まで送るのですが、芝刑事はKを自宅には上げず、玄関先に立たせたままでした。Kは黙って耐えるだけです。そんななか、犯罪組織バドーが次々とロボットを使ったハイテク犯罪を起こし、Kと芝刑事は共に立ち向かうことになるのです。

 のちに映画『麻雀放浪記』(1984年)の出目徳役で名演技を披露するいぶし銀俳優の高品格さんが、無表情のロボットと共演するという意外性が『ロボット刑事』にはありました。

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